キッチンカー開業

キッチンカーの創業融資ガイド|日本政策金融公庫の申込準備と創業計画書

/ 更新 2026.10.14


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます

まいどー!たこ焼き屋歴12年・キッチンカー歴8年のぴえろです🤡

「キッチンカーを始めたいけど、日本政策金融公庫(公庫)には何を持って相談に行けばいいの?」

先に結論。公庫に行く前に用意したいのは、①買うものの見積もり、②出店の計画、③毎月のお金の見通しの3つです。この3つがつながると、「いくら借りたいか」と「何を相談したいか」が自分の言葉で言えるようになります。逆にここがぼんやりしたまま窓口に行くと、聞かれたことに答えられず、持ち帰りの宿題が増えるだけです。

この記事では、公庫の創業融資(新規開業・スタートアップ支援資金)に申し込む前の準備を、必要資金の整理 → 創業計画書 → 書類と帳簿 → 面談 → 返済と資金繰りの順にまとめます。僕は税理士でもファイナンシャルプランナーでもないので、制度の数字は公庫の公式ページで最新を確認しつつ、現役オーナーとして「ここを先に整理しておくと話が早い」という部分を中心に書きます。

補助金も含めて「使える制度を一通り知りたい」という方は、先にキッチンカーの補助金・助成金まとめをどうぞ。この記事は、そのうち「公庫に借りに行く」部分だけを深掘りしています。

僕自身も開業のときに日本政策金融公庫の創業融資を使いました。だからこそ「申し込む前に何を整理しておくと話が早いか」を、実感を込めて書けます。

この記事でわかること:

  • 公庫の創業融資で最初に確認しておく制度の基本(対象・限度額・無担保無保証の条件)
  • 必要資金を「設備資金」と「運転資金」に分けて書き出す方法
  • キッチンカーならではの創業計画書の書き方(出店先・客数・営業日数)
  • 申込書類・帳簿・口座の準備と、面談で聞かれやすいこと
  • 返済額を毎月の資金繰りに組み込む考え方

※制度の情報は2026年10月7日時点。融資には審査があり、借りられるかどうか・金額・条件は公庫の判断です。最終確認は必ず公庫の公式ページでお願いします。

公庫の創業融資で最初に確認すること

キッチンカーの開業資金を借りる先として、いちばん多く名前が挙がるのが日本政策金融公庫です。政府系の金融機関で、これから開業する人向けの窓口が用意されています。

制度の名前は「新規開業・スタートアップ支援資金」

創業者向けの代表的な制度が「新規開業・スタートアップ支援資金」です。対象は、これから事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方。使い道は設備資金(車両・改装・厨房機器など)と運転資金(仕入れ・出店料・燃料など)の両方です。

  • ✅ 融資限度額:7,200万円(制度上の上限であって、希望額を借りられる保証ではありません)
  • ✅ 返済期間:設備資金は20年以内、運転資金は原則10年以内
  • ✅ 金利・据置期間:開業の状況や使い道で変わるため、相談時に確認

なお、昔の記事やブログで見かける「新創業融資制度」は2024年3月末で取扱いが終了し、今はこの「新規開業・スタートアップ支援資金」に一本化されています。古い制度名で検索して出てきた条件(自己資金要件など)は、今の制度には当てはまらないので注意してください。

「無担保・無保証人」には条件がある

「公庫は誰でも保証人なしで借りられる」と思っている人が多いですが、正確には創業期の方(新たに開業する方・開業後に税務申告を2期終えていない方)が、原則として無担保・無保証人の取扱いになる、という話です。対象者の範囲を省いて「誰でも保証人不要」と考えないようにしましょう。詳しくは公庫の創業融資のご案内で確認を。

金利や据置期間、飲食業で検討できる他の制度があるかは、開業の状況と使い道を伝えたうえで窓口に相談するのがいちばん確実です。ここから先は、その「相談に行く前に整えておくもの」の話をします。

必要資金を「設備」と「運転」に分ける

最初にやるのは、必要なお金を「設備資金」と「運転資金」の2つに分けて書き出すことです。公庫の申込書も創業計画書も、この2つを分けて書く形になっているので、ここを先に整理しておくと後の作業が全部ラクになります。

設備資金:見積書の「内訳」が分かる形で

車両本体、厨房の改装、冷蔵庫や鉄板などの機器、看板。これらが設備資金です。ポイントは、車両の見積書を「車両本体」「厨房の架装・改装」「機器」「その他」の内訳が分かる形でもらうこと。1枚にまとめて「キッチンカー一式 ○○万円」とだけ書かれた見積書だと、相談のときに「この中の何にいくら使うのか」を説明できません。納期と支払時期(契約時・納車時にいくらずつか)も一緒に確認しておきましょう。

運転資金:開業してから入金が安定するまでのお金

仕入れ、出店料、ガス・ガソリン、容器、保険、決済手数料。これが運転資金です。キッチンカーは現金売上とキャッシュレスの入金日がズレるうえに、雨やイベント中止で営業日が減る月もあります。「売上が少ない月でも支払いは来る」前提で、何か月分を手元に置くかを決めてください。

項目の洗い出しにはキッチンカー開業費用の内訳が使えます。ただし、申込額はそこに書いてある金額ではなく、自分で取った見積もりの金額に置き換えて考えてください。

自己資金は「事業に使える分」だけを数える

次に、自己資金のうち事業に使える額を確認します。生活費まで全部つぎ込む計画だと、売上が少ない月にすぐ詰まります。事業のお金と生活費は分けて考えてください。

もうひとつ、僕が声を大にして言いたいのが、まだ採択されていない補助金を「確実な入金」として数えないこと。僕も小規模事業者持続化補助金やコロナ関連の給付金を申請した経験がありますが、補助金は基本的に「先に自分で払って、後から戻ってくる」後払いです。採択されるかも分からない段階のお金を自己資金に入れた計画は、面談で突っ込まれるだけでなく、通らなかったときに自分が困ります。

創業計画書は「どこで、何食売るか」まで書く

創業計画書は公庫の様式を使います。書く欄は決まっているので、難しいのは「書き方」ではなく「中身の根拠」。キッチンカーの場合、商品・価格・お客さん・出店先を具体的にするほど、売上の数字を説明しやすくなります。

出店先は「契約済み」「相談中」「候補」に分ける

キッチンカーの計画でいちばん大事なのに、いちばんぼんやり書かれがちなのが出店先です。予定している出店先は、「契約済み」「相談中」「候補」の3段階に分けて書いてください。まだ返事をもらっていない場所を「決定済み」のように書くと、面談で「どこと契約しているんですか?」と聞かれて答えに詰まります。

出店先の探し方や、主催者に確認しておく項目は出店場所の選び方にまとめています。計画書を書く前に、候補を3段階に仕分けしておきましょう。

売上は3つの数字のかけ算で出す

売上の試算は、客単価 × 1日の購入客数 × 月の営業日数で出せます。たとえば客単価700円、1日の購入客数50人、月16日営業なら、月商は56万円。これはあくまで説明用の仮の数字で、相場でも僕の実績でもありません。

大事なのは、同じ式で「弱気のパターン」も作っておくこと。同じ単価で購入客35人、月12日営業なら月商29万4,000円です。さらに、雨やイベント中止で営業日がもっと減った月も別に計算しておくと、「強気の予測だけでは見えない不足」が自分で分かります。この弱気パターンを先に見せられる人は、面談で信頼されやすいと思います。

キッチンカーは「どの現場で何個売れたか」が日単位で分かる業態です。開業前でも、イベント出店の見学やプレ出店で「1時間に何人買ったか」を数えておくと、それがそのまま計画書の根拠になります。数字の根拠を自分で見てきた人の計画書は強いです。

経費は「売上に連動するもの」と「固定のもの」を分ける

食材と容器、出店料、燃料、決済手数料、保険。これらを書き出すときは、歩合の出店料(売上の○%)と固定の出店料(1日○円)を混ぜないでください。どの費用が売上に連動して、どの費用が売れなくても出ていくのかを分けておくと、弱気パターンのときにいくら残るかがすぐ計算できます。

書き終えたら、公庫の創業計画書セルフチェックで記入漏れを確認できます。

申込書類は最新の案内と照合する

初めて公庫に申し込む個人事業主の創業準備では、創業計画書、設備の見積書、本人確認書類、送金先口座が確認できる資料などが案内されています。確定申告書や営業許可証などは、申告や取得の状況によって扱いが変わります。

開業前で「まだ持っていない書類」があっても、自己判断で諦めないでください。法人か個人か、使う制度によっても追加書類は変わるので、公庫の申込手順・必要書類のページと申込画面で最新の案内を確認しましょう。

自分の準備としては、書類を「提出済み」「準備中」「取得予定」の3つに分けた一覧を作り、最後に「見積書の金額」と「創業計画書に書いた設備資金の数字」が一致しているかを見直します。ここがズレていると、それだけで信頼を落とします。

開業届の控えは必ず手元に

個人事業主であることの証明として、開業届の控えを求められることがあります。僕の場合、開業届はたこ焼き屋を始めた2014年に、税務署へ直接行くのではなく地元の商工会議所の窓口で相談しながら申請しました。「書き方が不安」という人は、税務署より先に商工会議所・商工会に行くと、開業届だけでなく、その後の融資や補助金、記帳の相談先にもなってくれます。

開業届の出し方と青色申告の申請はキッチンカーの開業届の出し方にまとめています。控えは、確定申告書の控えと一緒に必ず保管しておいてください。

帳簿と口座は開業前から整えておく

創業計画書の数字は、帳簿がないと出せません。開業前なら「準備にいくら使ったか」、開業後なら「月の売上と経費がいくらか」を、すぐ取り出せる状態にしておくのが基本です。キッチンカーは現金売上が多く、領収書もガソリン・ガス・食材と細かいので、スマホでその場で帳簿を付けられる環境を最初に作っておくと、確定申告前に泣かずに済みます。

僕は会計ソフトを途中からマネーフォワード クラウドに切り替えました。最初から入れておけばよかった、というのが正直なところです。会計ソフトを使ったから審査に通りやすくなる、という話ではありません。「数字をすぐ出せる」状態が、計画書づくりと面談の準備を確実にラクにする、という話です。

💡 創業計画書の数字づくりに、クラウド会計を開業前から

開業準備で使ったお金をその場で記録しておけば、創業計画書の「設備資金」「自己資金」の欄がそのまま埋まります。どちらも無料で試せるので、使いやすい方を。料金・機能は公式サイトで最新を確認してください。

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口座については、僕は個人事業主なので屋号付きの口座は作らず、ゆうちょの口座を事業用として使っています。屋号口座が必須というわけではありませんが、事業用と私用の口座を分けておくことだけは、面談でも帳簿でも確実に効きます。

面談では計画の根拠を自分の言葉で説明する

申込後、公庫の担当者との面談があります。面談では、資金の使い道や事業計画の中身が確認されます。準備として、次の質問に自分の言葉で答えられるようにしておきましょう。これは準備用の例であって、公庫がこの通りに聞くと保証するものではありません。

  • ✅ この商品と、この営業エリアを選んだ理由は?
  • ✅ 予定している客数と営業日数は、何を根拠にした?
  • ✅ この車両と設備は、その大きさ・価格で本当に必要?
  • ✅ 出店できない日や、売上が少ない月はどうする?
  • ✅ 開業までに残っている準備と、支払いの予定は?

答えの根拠になるのは、出店先とのやり取りの記録、試作のときの原価メモ、見積書、見学やプレ出店で数えた客数などです。これらを1つのファイルにまとめて持っていくと、聞かれたときに探さずに済みます。

飲食や接客の経験がある人は、「実際に担当した仕事」と「そこで身につけたこと」を具体的にまとめておいてください。「飲食店で3年働いた」より「仕込みと発注を任されていた」のほうが、計画書の原価の数字に説得力が出ます。

最後に、借入れの有無などの情報は正確に伝えること。分からない数字を聞かれたら、その場で適当に答えず「持ち帰って確認します」でいいです。曖昧な即答より、確認して戻ってくる姿勢のほうが信頼されます。

返済の試算を毎月の資金繰りに入れる

借入額が決まる前から、公庫の返済シミュレーションで月々の返済額を試算できます。借入希望額・期間・金利・返済方法を変えて、いくつか比べてみてください。試算額はあくまで目安で、実際の条件は契約時の案内で確認します。

ここで大事なのは、売上だけを見て「返せそう」と判断しないこと。入金日と支払日を月ごとに並べて、仕入れ代・出店料・車の維持費・返済・生活費を全部払ったあとに、手元にいくら残るかを見てください。キッチンカーは現金売上とキャッシュレスの入金日が違うので、「売れたのに通帳にはまだ入っていない」月が普通にあります。

据置期間(元金の返済を待ってもらう期間)を希望する場合は、その間の利息の支払いと、据置が終わったあとの返済額を両方確認しておきましょう。納車代などの支払期限がある場合は、融資の入金日を決めつけず、早めに公庫と販売店の両方に日程を相談してください。

毎月のお金の流れを「カレンダー」に書き出す方法と、仕入れ・出店料・ガス代の支払いを後ろ倒しにする手はキッチンカーの資金繰り術にまとめています。そこで作ったお金のカレンダーは、そのまま面談用の資金繰り表の土台になります。

補助金も使うなら「後払い」と順番に注意

公庫の融資と補助金を組み合わせる人も多いと思います。ただ、補助金は制度ごとに対象になる経費と、発注してよい時期が違い、原則として「交付決定の前に買ったものは対象外」です。そして入金は事業が終わって報告した後。開業前のいちばんお金がない時期に、立て替えが必要になります。

だから現実的な組み立ては、車両と開業直後の運転資金は融資で確保し、設備や販促は補助金で後から取り戻すという順番。どの制度が何に使えるか、申請の流れと落ちる理由は補助金・助成金の制度一覧に分けてまとめているので、候補を探すときはそちらから。利用する公募回の公式要領を必ず確認してください。

申込前の最終チェック

ここまでを整理すると、公庫に相談に行く前に説明できるようにしておきたいのは、この4点です。

  • ✅ 必要資金の内訳:設備資金と運転資金に分け、見積書の金額と一致している
  • ✅ 出店先の確度:契約済み・相談中・候補の3段階に分けてある
  • ✅ 売上予測の根拠:客単価×客数×営業日数で、強気と弱気の2パターンがある
  • ✅ 売れない月の資金繰り:返済と生活費を含めて、手元にいくら残るか計算してある

見積もりと計画書を一度で完成させる必要はありません。足りない情報を書き出して、窓口での相談を通じて具体的にしていけば大丈夫です。

まとめ:公庫に行く前に「3つの数字」をつなげておこう

  • ✅ 公庫の創業者向け制度は「新規開業・スタートアップ支援資金」。限度額・返済期間・無担保無保証の条件は公式ページで最新を確認
  • ✅ 必要資金は「設備」と「運転」に分け、見積書は内訳が分かる形でもらう
  • ✅ 未確定の補助金を自己資金に数えない。補助金は後払い
  • ✅ 創業計画書は出店先を3段階に分け、売上は強気・弱気の2パターンで
  • ✅ 帳簿と口座は開業前から。会計ソフトは最初から入れておくと後がラク
  • ✅ 面談は「根拠を自分の言葉で」。分からない数字は持ち帰って確認
  • ✅ 返済額は返済シミュレーションで試算し、毎月のお金のカレンダーに組み込む

融資は「借りたら終わり」ではなく、毎月返していくお金です。借りる前に見積もり・計画・資金繰りの3つをつなげておけば、借りすぎも借り足りないも防げます。準備ができたら、最寄りの公庫の窓口へどうぞ。

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