キッチンカー開業

キッチンカーの利益率は何%?粗利60〜70%と手残り10〜20%の2段構造を現役オーナーが解説

更新 2026.07.12

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます

まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡 「キッチンカーの利益率って、実際のところ何%なんですか?」——開業相談でいちばんよく聞かれる質問のひとつです。先に結論から言うと、粗利率(売上から材料費を引いた割合)は60〜70%が目安。ただし出店料や燃料などの経費をぜんぶ引いた営業利益率で見ると、10〜20%が現実的なラインです。

僕は岐阜でたこ焼きのキッチンカーを12年やっています(2014年創業)。この記事では「月にいくら稼げるか」という金額の話ではなく、売上のうち何%が手元に残るのか、その構造を数字で分解していきます。月収・年収の具体額が知りたい方はキッチンカーの収入のリアルを先にどうぞ。この記事とセットで読むと全体像がつながります。

「利益率」には2つの意味がある

キッチンカーの利益率の話がかみ合わないのは、たいてい「粗利率」と「営業利益率」を混同しているからです。まずここを分けて考えましょう。

  • 粗利率=(売上−材料費)÷売上。目安は60〜70%。「商品そのものの儲ける力」を表す数字です
  • 営業利益率=(売上−材料費−出店料・燃料・車両費などの経費)÷売上。現実ラインは10〜20%。「商売として最後に残る率」です

お金の流れで書くと、2段階になっているのが分かります。

  • 売上 − 材料費 = 粗利(売上100なら60〜70が残る)
  • 粗利 − 出店料・燃料・消耗品・車両費など = 営業利益(最後に10〜20残れば合格圏)

「キッチンカーは利益率が高い商売」と言われるのは、前者の粗利率の話です。固定店舗のような家賃や人件費が軽いぶん粗利は確かに残りやすい。ただしキッチンカーには出店料と移動コストという独特の経費があるので、営業利益率は思ったほど高くなりません。この2段構造を知らないまま「粗利70%=めちゃくちゃ儲かる」と思って始めると、確定申告のときに「あれ、こんなに残ってないぞ…」となります。僕も1年目はまさにそれでした。

売上を100とした費用の内訳モデル【表で公開】

僕の12年の実感と、周りのオーナー仲間の話をならして、売上を100としたときの費用の内訳をモデル化しました。現場によって上下しますが、だいたいこの範囲に収まります。

項目売上100に対する目安僕のひとことメモ
材料費(原価)25〜35原価率30%前後が管理の基準線
出店料10〜15売上歩合15%の現場も。固定額の現場は雨の日に重くのしかかる
燃料・ガス・消耗品5〜8移動距離とガス使用量で変動。容器・割り箸・ラップもここ
車両の維持費・償却5〜10車検・修理・タイヤ代+開業時の車両代を数年で割った分
保険・通信・雑費3〜5PL保険・自動車保険・スマホ代・キャッシュレス決済手数料
営業利益(残り)10〜20ここから自分の生活費と税金を払う

この表のポイントは、材料費よりも「材料費以外の経費」の合計のほうが大きくなりがちだということ。出店料から雑費まで足すと25〜35くらい、つまり原価とほぼ同じ重さがあります。だから原価率だけ一生懸命管理しても、営業利益率は守れないんです。

なお、この表には自分の人件費を入れていません。個人事業のキッチンカーでは「営業利益=自分の取り分」になるからです。営業利益率15%でも月商100万円なら15万円、月商40万円なら6万円。率と売上の絶対額はセットで見る必要があります。ちなみに開業時にいくらかかるかはキッチンカーの開業費用完全ガイドにまとめてあります。

💡 数字の見方を体系的に学ぶなら

売上100の内訳を「自分の店の数字」で作れるようになると、経営は一気にラクになります。飲食店の計数管理の本を1冊読んでおくと、粗利率・営業利益率・損益分岐点までの考え方が体系的に身につきます。僕も開業前に読んでおけばと本気で思った分野です。

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メニュー別の利益率の傾向

何を売るかで、スタートラインの粗利率は大きく変わります。ざっくりした傾向がこちらです。

  • かき氷・ドリンク系:原価10〜30%。粗利率は最強クラス。ただし季節と天気にとことん左右される
  • たこ焼き・クレープなど粉もの系:原価25〜35%。僕のたこ焼きもここ。単価は中くらいですが、通年売れるのが強み
  • 丼・弁当などごはん系:原価35〜45%と高め。そのぶん単価800〜1,200円が取れるので、1日あたりの利益「額」は出しやすい

ここで大事なのは、「率が高いメニューが正解」ではないことです。かき氷は率が最高でも、冬に売上ゼロなら年間の利益額は伸びません。逆に弁当は率が低くても、平日のオフィス街で数が出れば額が積み上がる。オーナーが見るべきは率×単価×数量×営業できる日数のかけ算です。利益率はその1変数にすぎない、というのが12年やってきた僕の実感です。

💡 値付けと原価計算を基礎から

メニュー別の原価と売価のバランスは、感覚ではなく計算で決めるものです。原価計算とメニュー価格設定の本を1冊手元に置いておくと、新メニューを作るたびに「この値段で利益が出るか」を自分で検証できるようになります。

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利益率を上げる打ち手5つ【現役オーナーの実践順】

営業利益率10%を15%に上げるだけで、手元に残るお金は1.5倍です。僕が実際に効果を感じた順に5つ挙げます。

①値付けを「原価×3」の呪縛から解放する

開業本によくある「売価は原価の3倍」は出発点にすぎません。現場の相場、商品の見た目、提供の速さも含めた「価値」で値段を決めましょう。単価700円の商品を750円にしても客数はほぼ変わらない、という経験を僕は何度もしています。50円の値上げは、そのまま営業利益率を数ポイント押し上げます。

②セット販売で「粗利の高い売上」を足す

ドリンクやトッピングは追加の原価が小さいので、セットで増えた売上ぶんの粗利率はとても高い。客単価が上がると、出店料が固定の現場では利益率も同時に上がります。僕が赤字月から立て直したときも柱はこれでした。詳しくは赤字になった時の立て直し実体験に書いています。

③原価管理をどんぶり勘定にしない

粗利率60〜70%を守る土台は、原価率を30%前後でキープする管理です。仕入れのたびにグラム単価を記録して、メニューごとの原価を出す。具体的なやり方は原価率30%を守るエクセル管理術で手順ごと公開しています。

④出店先は「売上」ではなく「出店料率」で選ぶ

売上20万円でも歩合20%の現場より、売上15万円で出店料5,000円の現場のほうが手残りが多い、ということは普通に起きます。出店先を決めるときは売上見込みだけでなく、出店料が売上の何%になるかで比べるクセをつけましょう。目安として、出店料率が20%を超える現場は僕はかなり慎重に判断します。

⑤回転率を上げて「同じ経費で多く売る」

出店料も燃料も、1日あたりの金額は売れても売れなくても同じです。つまりピークタイムの提供数が増えるほど、経費の比率は自動的に下がって利益率が上がる。仕込みを前日に済ませる、注文と受け渡しの動線を分ける、メニューを絞る。地味ですが、利益率改善の効き目は値上げに匹敵します。

利益率は「毎日見る」から改善できる

ここまでの打ち手をぜんぶ活かす土台が、日々の記録です。僕は営業から帰ったら、その日のうちに「売上・材料費・出店料」の3つだけは必ず記録します。月末にまとめて計算すると、どの現場のどのメニューが利益を出したのか思い出せず、打ち手が全部カンになってしまうからです。

記録のハードルを下げるなら、クラウド会計ソフトがいちばんの近道です。スマホから売上と経費を入力すれば自動で集計され、月ごとの利益率の推移がグラフで見える。そのまま確定申告まで持っていけるので、簿記の知識がなくても「数字を毎日見る習慣」が作れます。

もちろん手書きのノートでも構いません。大事なのはフォーマットを固定して毎日つけること。「今日の売上・原価率・出店料率」の3つの数字を1か月ながめるだけで、自分の店のどこにお金が消えているかが必ず見えてきます。

よくある質問

Q. 利益率20%なら、手取りはいくらになりますか?
A. 月商×営業利益率がほぼ自分の取り分です(そこから税金・国民健康保険を払います)。月商80万円で利益率15%なら12万円、20%なら16万円。月商別のリアルな金額例は収入の記事で詳しく公開しています。

Q. 営業利益率が10%を切っています。何から手をつけるべき?
A. まず出店料率と原価率の2大コストから見直しましょう。この2つで売上の40〜50を占めるので、ここが数ポイント下がるだけで利益率は大きく戻ります。値上げは最後ではなく、並行して検討してOKです。

Q. 原価率は何%が正解ですか?
A. 一律の正解はありませんが、僕は30%前後を基準線にしています。25%を切ると商品の満足度が下がって客足に響きやすく、40%を超えると他の経費を吸収できなくなる、というのが体感です。

Q. 粗利率は70%近くあるのに、お金が残りません。なぜ?
A. 原因はほぼ経費側にあります。出店料率の高い現場に偏っていないか、移動距離が長すぎないか、車両の修理代がかさんでいないかを確認してください。粗利率が正常なら、直すべきは商品ではなく出店戦略です。

まとめ:粗利60〜70%、手元に残るのは10〜20%

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 利益率には2段階ある。粗利率60〜70%が目安、営業利益率10〜20%が現実ライン
  • 売上100のうち、材料費25〜35に加えて出店料・燃料・車両費などの経費が25〜35を占める
  • メニュー選びは率だけでなく、率×単価×数量×営業日数のかけ算で考える
  • 打ち手は「値付け・セット販売・原価管理・出店先選び・回転率」の5つ
  • すべての土台は数字を毎日記録する習慣

利益率は才能ではなく、構造を知って毎日数字を見れば少しずつ良くしていける数字です。僕も1年目は「思ったより残らない」側の人間でした。焦らず、でも手を止めずに、まずは今日の売上と原価の記録から始めてみてください。

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