はじめに:なぜキッチンカーを始めたのか

こんにちは、岐阜でたこ焼きキッチンカー「極たこ焼 飛笑朗(ぴえろ)」を運営しています。このブログでは、実際にキッチンカーを始めた経験をリアルにお伝えしています。
私がキッチンカーを選んだ理由はシンプルです。「店舗を持たずに、美味しいたこ焼きを多くの人に食べてもらいたい」という想いからでした。
開業までの道のり
準備期間(約1年)
- 調理師免許を取得
- 中古キッチンカーを購入して改装
- 保健所に何度も通って営業許可を取得
- レシピを200回以上試作
- 出店場所を開拓
開業してみて気づいたこと
大変だったこと
- 最初の3ヶ月は売上が安定せず、精神的につらかった
- 天候に左右される不安定さ
- 車両の故障で営業できない日があった
良かったこと
- お客さんの「おいしい!」という言葉が最高の喜び
- 自分で全てを決められる自由さ
- 地域のイベントに参加して人脈が広がった
現在の「ぴえろ」について
現在は岐阜県内を中心にイベント出店・企業昼食営業を行っています。「究極のふわとろたこ焼き」にこだわり、日々改善を続けています。
この記事は「ぴえろの実体験」が中心
キッチンカー開業の体験談は、これから始める人にとって 教科書では絶対に手に入らない情報 です。失敗・想定外・嬉しかったこと、すべてが次の人の判断材料になります。
以下のセクションは ぴえろさん自身の体験を入れる箇所 です。読みやすいように見出しだけ用意しました。
① 開業を決めた理由・きっかけ
「キッチンカーで開業する」と決めてから、ぴえろはいきなり走り出すのではなく、1年かけて先輩キッチンカーオーナーに相談しながら準備する 道を選びました。
飲食業界はネットのノウハウだけでは絶対に分からないことが山ほどあります。実際に現場で動いている先輩たちの話を聞いて、リアルな失敗談・成功談・お金の話を含めて吸収する期間を1年取った、ということです。
この1年の「相談・観察・準備」期間があったからこそ、開業後の早い段階で致命的な失敗を避けられたと、今でも思っています。
同業者へのひとこと:開業を急がないでください。先輩の経験を1年かけて吸収する時間は、開業後の3年分の失敗を防ぐ価値があります。「いきなり始めない」が、いちばんの近道だったりします。
② 準備期間にやったこと:1.5tトラックを選んだ理由
準備期間で最も悩んだのが 車両選び でした。キッチンカーといえば軽トラベース・軽バンベースが一般的ですが、ぴえろは 1.5tトラックを選択。決め手は次の3つです。
- 調理スペースが狭すぎる:小型車では、たこ焼きを焼きながら接客・盛り付け・包装をこなすのが物理的に厳しい。動きづらい厨房は、回転率が落ちて売上に直撃する
- 荷物が積みきれない:機材・食材・備品・予備のガスボンベ・テントなど、出店1日分の荷物は想像以上に多い。小さい車だと「積み残し」or「車外に山積み」になり、現場で苦労する
- スタッフが一緒に乗れない:キッチンカー営業は1人より2人体制のほうが圧倒的に楽。小型車の助手席だけでは長距離移動・搬入が大変。1.5tなら同乗できて運営の柔軟性が段違い
結果として、「最初から余裕のある車両」 を選んだことが、長く続けるための土台になっています。狭いより少し大きすぎるくらいが、現場では正解でした。
同業者へのひとこと:車両は「最初の機材選び」で最大の投資です。「軽でいいや」で始めると、半年で乗り換えたくなる現場の不便さに直面します。スタッフ運用・複数アイテム展開を視野に入れるなら、最初から1.5t以上を検討する価値ありです。
③ 開業初日〜1ヶ月目:売れたけどオペレーションがついていかなかった
1年かけて先輩に相談しながら準備してきたので、味と商品コンセプトには手応えがありました。実際、開業直後から「売れる」という意味では順調なスタートでした。
ところが、現場で待っていたのは想定していなかった壁でした。
売れすぎてオペレーションが追いつかない
準備段階で味・メニュー・接客は何度もシミュレーションしていたものの、「実際に行列ができたときの捌き方」だけは、本番でしか身につかなかったんです。
- 注文を受けながら焼く順番がぐちゃぐちゃに
- 具材の補充タイミングがズレて焼き場が止まる
- お会計と提供が同時に発生して詰まる
- 結果、お客さんを長く待たせてしまうことが何度もあった
美味しいと言ってもらえても、「待ち時間が長すぎて諦めて帰った人」が確実にいました。これは今思い出しても、開業初期で一番悔しかった失敗です。
1ヶ月で叩き直した3つのこと
このままではダメだと、開業後すぐにオペレーションを徹底的に見直しました。
- 焼き場の動線を固定化:「焼く・返す・取り出す・盛る」の動きを誰が見ても同じ順番でできるように
- 仕込み量と補充タイミングを数値化:1時間あたりの提供数を逆算して、具材ストックを切らさない
- 会計と調理の役割を完全分離:1人で兼ねず、必ず分担する体制に
これだけで、同じ売上でも待ち時間が劇的に短くなりました。
もうひとつの想定外:発電機のエンジンがかからなかった日
もう一つ、開業初期に冷や汗をかいた出来事があります。出店直前に発電機のエンジンがかからず、電気が全く使えない という事態が起きたのです。
キッチンカーは電源がないと、照明・冷蔵庫・電動機器がすべて止まります。営業そのものが成り立ちません。当日は焦ってあれこれ試しましたが、原因はシンプルでした。
- ガソリンの残量チェックを怠っていた:前回出店時の残りで足りると思い込んでいた
- オイルレベルの確認を後回しにしていた:保管期間で減っていた。オイルが規定量を下回ると、そもそもエンジンがかからない仕様の発電機が多いのですが、これを知らずに「燃料切れかな?」と原因を探る方向に時間を取られました
この一件以来、発電機のガソリンとオイルチェックは、出店前の必須ルーティンに組み込みました。当たり前のことですが、当たり前の確認を抜くと営業ごと吹き飛ぶ、と痛感した日です。
これを知らずに「ガソリン入れたのに動かない」と現場で焦るキッチンカーオーナーは多いです。多くの発電機はオイル量低下時にエンジン保護のため自動停止する設計になっています。出店前の点検は「ガソリン+オイル」の2点セットで必ず確認してください。
同業者へのひとこと:開業前に味とメニューの準備はしっかりするはずです。でも 「行列が出来たときのオペレーション」 は、紙の上で完成しません。本番前に、家族や仲間と一度「混雑シミュレーション」を回しておくことを強くおすすめします。1日で売上が変わります。
④ 1年経って分かったこと・続けるコツ
売上が安定したのは「3ヶ月目」あたり
開業から 約3ヶ月で、売上に「読める」感覚が出てきた のを覚えています。最初の数週間はオペレーションの試行錯誤と現場慣れで一杯一杯ですが、そこを抜けると徐々に景色が変わってきました。
安定の最大要因は「出店場所の確保」
振り返って一番大きかったのは、「定期的に呼んでもらえる出店場所をしっかり確保できたこと」。これが売上安定のターニングポイントでした。
- 1回出して終わり、ではなく「また来てね」と言ってもらえる現場を増やす
- 主催者からの信頼を積み重ね、優先的に声をかけてもらえる関係を作る
- 出店場所が読めると 仕入れ・スタッフ手配・売上予測まで全部安定する
キッチンカーは「車」より「出店場所」のほうが、商売の屋台骨です。
続けられた理由:お客さんから直接もらえる「ありがとう」
正直にいうと、開業後しばらくは「これ、続けられるのかな」と何度も思いました。1年走り続けるエネルギーをくれたのは、店構えのカッコよさでも売上数字でもなく、目の前のお客さんからかけてもらう一言でした。
- 「美味しかったよ、ありがとう」
- 「これ食べに来たんです」
- 「先週も買いました、また来週も来ます」
自信のある味を持っていると、お客さんが必ず反応を返してくれる。買って帰る瞬間に「ありがとう」「美味しかった」と言ってもらえる。これがキッチンカーをやる中で、いちばん心が動く瞬間です。
キッチンカーの最大の魅力は「お客様との距離の近さ」
店舗型の飲食店だと、調理場とお客さんの間にカウンターやホールスタッフが入ります。でもキッチンカーは違います。焼いている自分と、買ってくれるお客さんが、ほぼ顔の見える距離にいる。
この近さは、料理を提供する人間にとって、想像以上に大きなご褒美です。「自分が作ったものが、目の前で誰かを笑顔にしている」を、毎日のように体感できる。これはキッチンカーならではの特権だと思っています。
これから始める人へ:絶対に伝えたい3つのこと
- 出店場所の確保に時間を使う:味と機材より先に、信頼できる主催者と関係を作ること
- 味で絶対に妥協しない:自信のある味は、お客さんが必ず言葉で返してくれる。それが続ける原動力になる
- お客さんとの距離の近さを楽しむ:キッチンカーは「売る場」じゃなくて「会いに来てもらう場」。この感覚を持てると景色が変わる
同業者へのひとこと:3ヶ月走り抜ければ、必ず景色が変わります。出店場所の確保と、味の手応えと、お客さんとの会話。この3つが揃うと、不思議と続けられます。最初の3ヶ月は、苦しくても止まらないでください。
これからキッチンカーを始める方へ
大変なことも多いですが、自分の好きなものを販売して生計を立てることは、本当に充実しています。このブログがあなたのキッチンカー開業の参考になれば嬉しいです。一緒に頑張りましょう!

