まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡 たこ焼き屋歴は12年(2014年創業)になります。
「かき氷のキッチンカーって、実際儲かるの?」「夏だけで食べていけるの?」——移動販売を始めたい人から、僕がいちばんよく聞かれる質問のひとつです。
先に結論を言います。かき氷は原価率10%前後という、飲食ではほぼ反則レベルの商材で、夏の移動販売では最強クラスです。ただし、夏以外はほとんど売れません。だから僕は、かき氷一本ではなく「たこ焼き×かき氷」のような2枚看板戦略を強くおすすめしています。この記事では、12年現場に立ってきた僕の実感を交えて、かき氷キッチンカー開業の全体像をまとめました。
かき氷キッチンカーが「儲かる」と言われる理由
かき氷が儲かると言われる最大の理由は、圧倒的な原価率の低さです。1杯の中身は氷・シロップ・カップだけ。純氷1貫(約135kg)から相当な杯数が取れるので、1杯あたりの原価は数十円程度、販売価格400〜600円なら原価率はおおむね10%前後に収まります。
僕のたこ焼きは、粉・タコ・油・ソース・かつお節…と材料が多く、原価率は30%前後。正直、夏の現場で隣にかき氷屋さんが出ていると「ええなあ」と思いながら焼いています(笑)。
もうひとつの強みは客層の広さです。小さい子どもからお年寄りまで、かき氷を嫌いな人はほとんどいません。祭り・花火大会・プールサイドなど夏のイベントとの相性は抜群で、暑ければ暑いほど売れる。しかも調理は「削ってシロップをかける」だけなので、仕込みが軽く、提供が速く、回転が良い。飲食未経験の人が最初に挑戦する商材としてもハードルが低いんです。
開業に必要な設備と資金
次に、開業に必要なものとお金の話です。中心になるのは、車両とかき氷機。特にかき氷機は売上を左右する心臓部なので、選び方を知っておいてください。
かき氷機は「ブロックアイス式」か「バラ氷式」か
業務用かき氷機は大きく2タイプに分かれます。
- ブロックアイス式…角柱の純氷ブロックを削るタイプ。ふわふわの薄削りができて「映えるかき氷」に向く。高単価メニューを狙うならこちら。氷は氷屋さんからの仕入れが基本で、保冷管理の手間はかかります。
- バラ氷式(キューブアイス式)…小さい氷をそのまま投入して削るタイプ。氷の調達がしやすく、補充も速いので回転重視のイベント向き。食感はシャリシャリ寄りになります。
僕の周りの出店仲間を見ていると、単価勝負ならブロックアイス式、数勝負ならバラ氷式という使い分けがしっくりきます。迷ったら、自分が出たい現場(じっくり系のマルシェか、数をさばく祭りか)から逆算するのがおすすめです。
💡 業務用かき氷機は「削りの安定感」で選ぶ
ふわふわ系を狙うならブロックアイス式、回転スピード重視ならバラ氷式が基本です。業務用モデルは削りの均一さと耐久性が家庭用とはまったく別物。真夏に1日100杯以上さばく現場では、機械の安定感がそのまま売上に直結します。
初期費用の内訳(目安)
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 車両(中古の軽キッチンカー等) | 150〜300万円 | 開業費用の大半。リース・レンタルという手も |
| 業務用かき氷機 | 5〜20万円 | ブロックアイス式はやや高め |
| 冷凍ストッカー・クーラーボックス | 3〜10万円 | 氷のストック量に直結 |
| 発電機・電源まわり | 5〜20万円 | 電源が借りられる現場なら不要な場合も |
| 営業許可・保険・備品消耗品 | 5〜15万円 | シンク・タンク・カップ類など |
| 合計 | 約170〜350万円 | 車両を安く抑えられるかがカギ |
かき氷機以外にも、シロップディスペンサーや保冷まわりなど、現場で効く道具がいくつかあります。道具の詳しい比較はこちら(かき氷キッチンカー必須道具10選)にまとめているので、あわせてどうぞ。
営業許可と保健所の注意点|氷は「食品」です
かき氷キッチンカーにも、ほかのキッチンカーと同じく保健所の営業許可(飲食店営業許可)が必要です。給排水タンクの容量やシンクの数などの基準は自治体ごとに細かい違いがあるので、車を作り込む前に必ず管轄の保健所へ事前相談してください。
そしてかき氷ならではの注意が「氷の扱い」です。かき氷の氷は口に直接入る食品。だから次の点をチェックされます。
- ✅ 氷は食用の純氷(食品衛生基準を満たした氷)を使う。家庭の冷蔵庫で作った氷はNGとされるのが基本
- ✅ 氷を素手で触らない(トング・スコップ・手袋を使う)
- ✅ 保冷温度を保ち、溶けた水が食材にかからない構造にする
- ✅ シロップや練乳の開封後の保管ルールを決めておく
とくに真夏の営業では、氷の保冷が衛生面でも利益面でも生命線になります。
💡 純氷の保冷は大型クーラーボックスで
仕入れた純氷を営業終了まで保たせられるかは、クーラーボックスの保冷力で決まります。真夏の車内は想像以上に過酷なので、厚手断熱の大型タイプがおすすめ。氷のロスが減れば、そのぶん利益が残ります。
儲かるかき氷屋にする3つのコツ
① 客単価は「トッピング」で作る
ベースのかき氷を400〜500円にして、練乳+100円、果肉トッピング+150円…と積み上げる設計が王道です。トッピングは追加原価がとても小さいので、客単価が100円上がるとほぼそのまま利益が増えます。メニュー表は「松竹梅」の3段構成が王道です。
💡 シロップは業務用サイズで原価を下げる
1.8Lなどの業務用シロップなら、1杯あたりのシロップ代をぐっと抑えられます。いちご・メロン・ブルーハワイの定番3色に、果肉系やご当地系を1〜2種類足すと、それだけで単価の高い「看板メニュー」が作れますよ。
💡 練乳は「+100円トッピング」の王様
練乳がけは追加原価が1杯あたり数十円なのに+100円で売れる、かき氷屋いちばんの稼ぎ頭です。チューブタイプより業務用ボトルのほうが、行列時の提供スピードが段違い。必ず切らさないようにしたい一品です。
② 「映え」は最強の無料広告
かき氷はSNSと相性が抜群の商材です。山の高さ、シロップの色、カップのデザイン——写真を撮りたくなる見た目にするだけで、お客さんが勝手に宣伝してくれます。僕の現場感覚でも、行列の何割かは「誰かのSNS投稿を見て来た人」です。
💡 「映え」はカップとスプーンで決まる
同じかき氷でも、透明カップやフラワーカップに盛るだけで写真写りが一気に変わります。食べ歩きの多いイベントではスプーンストローが必需品。消耗品は営業前にまとめ買いしておくと、繁忙期の欠品を防げます。
③ 行列は「提供スピード」でさばく
夏のイベントでは行列が伸びるほど機会損失が出ます。注文を聞いてから削るのではなく、先に会計を済ませる・トッピングは声かけで先に決めてもらう・氷の補充タイミングを決めておく、といった段取りで提供時間を短縮しましょう。出店先の探し方や当日の立ち回りはイベント出店の記事で詳しく書いています。
最大の弱点=「夏しか売れない」への対策
ここまで良いことを書いてきましたが、かき氷には誰も逃げられない弱点があります。季節性です。僕の体感では、9月の中旬を過ぎて朝晩が涼しくなると、かき氷の売れ行きは一気に落ちます。7〜8月の2か月で1年分を稼ぐ商売、と言ってもいいくらいです。
だから僕は、かき氷で開業するなら最初から2枚看板で設計することをおすすめします。
- ✅ 夏=かき氷、通年=たこ焼きや焼きそばのような組み合わせ(僕の周りでもこの型が一番多い)
- ✅ 秋冬は焼き芋・ホットドリンクなど「温」メニューに切り替える
- ✅ かき氷機は場所を取らないので、既存メニューへの「後乗せ」もしやすい
実際、たこ焼きをやっている僕から見ても、かき氷は夏の相棒として優秀です。火を使うメニューと違って提供が速く、暑い日ほどたこ焼きが鈍る時間帯を埋めてくれます。メインの商材をどう選ぶかは商材選びの記事で詳しく解説しています。
もうひとつ、夏の現場は売る側の暑さ対策も必須です。かき氷屋さんでも車内は40℃を超えます。倒れたら営業どころではないので、キッチンカーの熱中症対策も開業前に読んでおいてください。
かき氷キッチンカー開業までの6ステップ
- コンセプトとメニューを決める…ふわふわ系か、数さばき系か。2枚看板の相方もここで決める
- 保健所へ事前相談…営業エリアの基準を確認してから車を作るのが鉄則
- 車両とかき氷機を準備…中古・リースも含めて予算と相談
- 営業許可を取得…食品衛生責任者の資格取得もこの段階まで
- 出店場所を確保…夏イベントは春には募集が始まる。動き出しは早めに
- プレオープンで検証…提供スピードと氷の消費量を実測してから本番へ
よくある質問(FAQ)
Q. かき氷キッチンカーは本当に儲かりますか?
夏に限れば、原価率10%前後・回転の速さ・客層の広さがそろった強い商材です。ただし売上は天候とイベントの質に大きく左右されます。「夏は強いが、年間で見ると波が激しい」が正直なところで、だからこそ2枚看板や秋冬メニューでの平準化が重要になります。
Q. かき氷機はブロックアイス式とバラ氷式、どちらがいいですか?
高単価のふわふわ系で勝負するならブロックアイス式、祭りなどで数をさばくならバラ氷式が向いています。氷の仕入れ環境(近くに氷屋さんがあるか)も判断材料にしてください。
Q. 氷はどこで仕入れればいいですか?
基本は地域の氷屋さん(純氷販売店)からの仕入れです。イベント会場まで配達してくれる業者もあります。バラ氷式なら業務用の食用氷を購入する方法もありますが、いずれも「食用」であることが大前提です。
Q. 夏以外は何を売ればいいですか?
定番は焼き芋・ホットドリンク・スープ系などの温メニューか、たこ焼き・焼きそばのような通年商材との組み合わせです。僕のおすすめは、通年で戦える主食系を軸にして、かき氷を「夏のブースト役」に位置づける形です。
まとめ|かき氷は「夏最強」、ただし相棒を用意しよう
かき氷キッチンカーのポイントをまとめます。
- ✅ 原価率10%前後・客層が広い・提供が速い、夏最強クラスの商材
- ✅ かき氷機はブロックアイス式(単価型)かバラ氷式(回転型)かを現場から逆算して選ぶ
- ✅ 氷は「食品」。純氷の使用と保冷管理を保健所に確認
- ✅ 儲けの柱はトッピングによる単価アップと提供スピード
- ✅ 最大の弱点は季節性。たこ焼きなどとの2枚看板で年間を設計する
12年キッチンカーをやってきて断言できますが、商売は「一番売れる季節に、一番強い商材を持っているか」で決まります。かき氷はまさに夏のエースです。あとは夏以外を支える相棒さえ用意すれば、かき氷開業は十分に狙う価値があります。応援しています🍧
