まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡
⚠️ はじめに大事なお断り:僕は税理士ではなく、いち個人事業主です。この記事は「現場でこう処理するのが一般的」という経験ベースの整理で、税務の正解を保証するものではありません。税率・控除額・制度は変わる可能性があるので、最新情報は必ず国税庁サイトで確認し、最終判断は税務署・税理士さんに相談してください。
「確定申告って、どこまで経費にしていいの?」——僕も開業1年目の2月、レシートの山を前に固まった一人です。岐阜でたこ焼きキッチンカー「飛笑朗(ぴえろ)」を12年やってきて分かったのは、結論、キッチンカー(移動販売)は経費にできる項目がかなり多い業態だということ。ガソリン代も出店料も包材も、事業のために使ったお金は基本的に経費の候補になります。
だからこそ勝負の分かれ目は「何が経費か」を知っているかどうかより、日々の記録を仕組み化できているか。この記事では、キッチンカーの確定申告でよく出てくる経費リストを勘定科目の目安つきで一覧表にして、家事按分・青色申告・インボイス・記録術までまとめて整理します。ブックマークして申告期に見返してもらえたら嬉しいです。
1. キッチンカー特有の経費で落とせるものリスト【一覧表】
まずは本題の一覧表から。僕が実際に毎年計上している項目を中心に、キッチンカー・移動販売ならではの経費を並べました。勘定科目はあくまで「こう仕訳されるのが一般的」という目安で、科目名が多少違っても金額が正しく記帳されていれば大きな問題にはならないと言われています(迷ったら税理士さんに確認を)。
| 経費の項目 | 勘定科目の目安 | ぴえろのひとことメモ |
|---|---|---|
| キッチンカー本体・架装費 | 車両運搬具(減価償却費) | 一括ではなく数年に分けて経費化するのが原則 |
| ガソリン代・高速代 | 車両費/旅費交通費 | 移動販売の主戦力。給油レシートは全部残す |
| 出店料・場所代 | 賃借料/支払手数料 | 売上歩合の場合も経費。主催者に領収書をもらう |
| 仕込み場所の家賃 | 地代家賃 | 自宅仕込みなら家事按分(後述) |
| 食材費(廃棄ロス含む) | 仕入高 | 売れ残りの廃棄分も仕入として経費になるのが一般的 |
| 容器・袋・割り箸などの包材 | 消耗品費/荷造運搬費 | たこ焼き屋は舟皿・爪楊枝まで全部これ |
| プロパンガス(LPガス) | 水道光熱費 | 充填の領収書を必ず保管 |
| 自動車保険・PL保険 | 損害保険料 | 事業用車両の保険は経費になるのが一般的 |
| 駐車場代(車庫) | 地代家賃 | キッチンカーの保管場所代。月極契約書を保管 |
| スマホ代・通信費 | 通信費 | 私用兼用なら家事按分の対象 |
| POS・キャッシュレス決済手数料 | 支払手数料 | 売上から引かれる分。意外と見落としがち |
| のぼり・看板・チラシ・SNS広告 | 広告宣伝費 | ステッカーや販促グッズもここに入ることが多い |
| 営業許可の更新料・検便費用 | 支払手数料/雑費 | 保健所関係の出費も忘れず計上 |
開業初年度の方は、開業前に払った準備費用(研修費・備品・打ち合わせ代など)が「開業費」として扱える場合もあります。何にいくらかかるかの全体像は キッチンカー開業にかかる費用の全て にまとめているので、初期投資の整理はそちらをどうぞ。また、補助金をもらった年は補助金も収入として計上が必要になるのが一般的です。補助金・助成金まとめの記事と合わせて、受け取った年の申告は特に慎重に。
2. 家事按分の考え方|自宅仕込み・車の私用兼用はどうする?
キッチンカーの確定申告で一番モヤモヤしやすいのが「事業と生活が混ざっている出費」。これを事業分と生活分に分けるのが家事按分(かじあんぶん)です。
自宅で仕込みをしている場合
自宅キッチンや自宅の一室を仕込み・事務作業に使っているなら、家賃や電気代のうち「事業で使っている割合」だけを経費にするのが一般的です。使用面積や使用時間で割合を決めて、その根拠をメモに残しておく——ここがポイントで、「なぜその割合なのか」を自分の言葉で説明できることが大事だと言われています。※持ち家の場合や営業許可との関係は話がややこしくなるので、税務署・税理士さんに確認してください。
キッチンカーを私用でも使う場合
車を買い物や送り迎えにも使うなら、ガソリン代や減価償却費も按分が必要になるのが一般的です。走行距離や使用日数の割合が根拠にしやすい基準。僕の場合、飛笑朗の車両は完全に営業専用にして、私用の車を別に持つことで按分の悩み自体をなくしました。可能なら「事業用と私用を分ける」のが一番シンプルなやり方だと思います。
3. 青色申告と白色申告の違い|65万円控除は取りにいく価値あり
個人事業主の確定申告には青色と白色の2種類があります。ざっくり言うと、青色は帳簿の手間が増える代わりに特典が大きい、白色は手軽だけど特典が少ない、という関係です。
- 青色申告:複式簿記+e-Tax(電子申告)などの要件を満たすと最大65万円の特別控除が受けられるのが現行制度の一般的な扱い。赤字を翌年以降に繰り越せる、家族への給与を経費にしやすい、などのメリットも
- 白色申告:単式の簡易な記帳でOKだけど、特別控除はなし
青色を使うには、事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に出しておく必要があります(提出期限あり)。控除額や要件は改正で変わる可能性があるので、最新は国税庁サイトで確認してください。正直、クラウド会計を使えば複式簿記のハードルはかなり下がるので、キッチンカーで本気で食べていくなら青色一択というのが僕の感覚です。そもそも売上がどれくらい見込める商売なのかは キッチンカーの収入のリアル にまとめています。
4. インボイス制度にひとこと|屋台系は影響小さめ、ただし出店先次第
「インボイス、キッチンカーはどうすればいいの?」ともよく聞かれます。僕の理解では、お客さんに直接売るBtoC中心の屋台系は、影響が比較的小さいと言われています。一般のお客さんは仕入税額控除を使わないからです。
ただし、企業のオフィス出店・イベント会社との取引・ケータリング契約など事業者向けの売上が増えてくると、取引先から適格請求書(インボイス)の発行を求められる場面が出てきます。登録するかどうかは「どんな出店先と付き合っていくか」次第。登録すれば消費税の申告義務も発生するので、ここは損得の絡む判断です。安易に決めず、税務署の相談窓口か税理士さんに相談してから決めるのをおすすめします。
5. 日々の記録を楽にする方法|レシート即撮影+クラウド会計
冒頭に書いた通り、確定申告の勝敗は2月ではなく日々の記録で決まります。僕が12年続けているのはこの2つだけ。
- レシートはもらった瞬間にスマホで撮影——財布に溜めない。営業終わりの車内で撮るのを習慣化
- クラウド会計に集約——銀行口座・クレカ・決済サービスを連携させれば、取引の大半は自動で帳簿に入る
クラウド会計は主要3サービスのどれかを選べば大きく外さないと思います。それぞれ特徴があるので簡単に紹介します。
freee会計
簿記の知識ゼロでも「質問に答えるだけ」で申告書類まで作れる初心者向けUIが特徴。スマホアプリでのレシート撮影→自動仕訳の流れが分かりやすく、開業したての方が最初に触る会計ソフトとして人気です。
弥生のクラウド確定申告ソフト
会計ソフト売上実績No.1の老舗。昔ながらの帳簿の考え方に近い画面構成で、サポート体制の手厚さに定評があります。「困ったら電話で聞きたい」タイプの方には安心感が大きい選択肢です。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行・クレカ・電子マネー・POSレジなど外部サービスとの連携の強さが売り。キャッシュレス決済の売上が多いキッチンカーとは相性が良く、口座を眺めるだけで帳簿ができていく感覚に近づけます。
💡 一冊だけ紙の本も手元に
ソフトが仕訳を自動化してくれても、「そもそも経費とは何か」という考え方は一度体系的に読んでおくと迷いが減ります。僕も開業1年目に確定申告の入門書を1冊読み込んで、レシート整理のルールを決めました。図解の多い最新年度版を選ぶのがコツです。
6. 確定申告までのスケジュール感
1年の流れをざっくり掴んでおくと、2月に慌てません。
- 開業時:開業届+青色申告承認申請書を税務署へ
- 毎日〜毎週:レシート撮影・クラウド会計で記帳(溜めない!)
- 12月末:在庫の棚卸し。年をまたぐ食材・包材の残りを数える
- 1月:支払調書や控除証明書(保険・年金など)を集める
- 2月中旬〜3月中旬:申告書を提出して納税(例年この時期ですが、期限は必ず国税庁サイトで確認を)
ここで一つ、12年やってきた者として声を大にして言いたいのが納税資金の確保です。所得税・住民税・国民健康保険料は後からまとめてやってくるので、「売上は好調だったのに納税の時期に現金がない」という事態が本当に起こります。実際、キッチンカーが廃業する理由の記事でも書いた通り、納税資金のショートは廃業の引き金になりがち。僕は売上の1割を「税金用口座」に毎月よけておくやり方で乗り切っています。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. レシートを失くしてしまったら経費にできない?
出金伝票に日付・金額・内容を記録して代用する方法が実務上よく使われると言われています。ただし多用は禁物で、認められるかどうかは状況次第。だからこそ「もらった瞬間に撮影」の習慣が最強の保険になります。
Q2. 中古のキッチンカーを買った場合の減価償却は?
中古車は法定耐用年数より短い年数で償却できる計算方法があるのが一般的で、新車より早く経費化できるケースが多いです。計算はやや複雑なので、購入した年の申告は税理士さんか税務署に確認するのが安心です。
Q3. 赤字だったら確定申告しなくていい?
申告義務の有無はケースによりますが、青色申告なら赤字(純損失)を翌年以降に繰り越して黒字と相殺できる扱いが一般的なので、赤字の年こそ申告しておく価値があると言われています。初期投資がかさむ開業初年度は特に検討を。
Q4. 税理士さんには頼むべき?
売上規模が小さいうちはクラウド会計+自力で十分回ると思います。売上が伸びてきた、インボイスに登録した、法人化を考え始めた——そのあたりが相談のタイミング。年1回の申告チェックだけスポットで頼む使い方もあります。
8. 【まとめ】経費の知識より「記録の仕組み」が先
最後にもう一度まとめます。
- キッチンカーは経費にできる項目が多い業態。一覧表を手元に、漏れなく計上する
- 自宅仕込み・車の私用兼用は家事按分。割合の根拠を説明できるように
- 本気でやるなら青色申告+クラウド会計。65万円控除は取りにいく価値あり
- インボイスは出店先次第。安易に決めず相談
- そして何より、レシート即撮影と納税資金の確保を仕組みにする
税金のルールは毎年のように変わります。この記事は2026年時点の僕の実務メモとして書きましたが、申告前には必ず国税庁サイトで最新情報を確認し、迷ったら税務署・税理士さんに相談してください。数字の管理が固まると、商売は一気に楽になります。あなたの申告が、無事に終わりますように。
