キッチンカー開業

キッチンカーに必要な保険 完全ガイド|PL保険・自動車保険など4種類を12年オーナーが解説

更新 2026.07.12

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まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡 岐阜でたこ焼きのキッチンカーを2014年から12年やっています。

今回のテーマは「キッチンカーの保険」。正直、開業準備の中でいちばん後回しにされがちな話です。でも先に結論を言っておくと、最低限そろえておきたいのは「事業用の自動車保険」と「PL保険(生産物賠償責任保険)」の2つ。特にPL保険は、イベント出店では「加入していること」が出店条件になっていることが多く、入っていないとそもそも応募できない現場もあります。

この記事では、キッチンカーに関係する保険を4種類に整理して、入り方・保険料の目安・もしもの時の初動までまとめました。ひとつだけ先にお願いです。保険は会社・商品ごとに中身が全然違うので、補償内容と保険料は必ず各社の約款・見積もりで確認してください。この記事は「どんな種類があるか」をつかむための地図として使ってもらえたら嬉しいです。

キッチンカーに必要な保険は4種類|まず全体像

キッチンカーのリスクは大きく分けると「走る」「食べてもらう」「その場で営業する」「自分が倒れる」の4つ。それぞれに対応する保険があります。

保険の種類カバーする内容僕の考える優先度
自動車保険(事業用)走行中の事故。キッチンカーは8ナンバー(特種用途)や事業用扱いになる場合がある必須
PL保険(生産物賠償責任保険)提供した食べ物が原因の食中毒・異物混入など、お客さんへの賠償ほぼ必須(出店条件になることが多い)
施設賠償責任保険営業中の設備が原因のケガ・物損。のぼりが倒れた、油がはねた等できれば
所得補償・休業補償自分が病気やケガで働けない間の収入減家計次第で検討

4つ全部にフル装備で入る必要はありません。ただ、上の2つ(自動車保険とPL保険)だけは、営業を始める前に必ず手を打っておいてください。順番に見ていきます。

自動車保険の注意点|「自家用のまま」がいちばん危ない

キッチンカーは、キッチン設備を積むために構造変更をして8ナンバー(特種用途自動車)になっていたり、貨物登録のままだったりと、車両の状態がさまざまです。ここで大事なのは、今の車両の状態と「営業に使うこと」を保険会社に正しく伝える(告知する)ことです。

  • 中古で買った車を改造した場合、構造変更後の車検証の内容で契約し直す
  • 使用目的は「日常・レジャー」ではなく事業用・業務使用として申告する
  • フライヤーや発電機など高額な積載設備の扱い(車両保険の対象になるか)を確認する

告知内容が実態と違うと、いざという時に保険金が支払われないおそれがあります。「自家用の保険のまま営業していた」は本当によく聞く話なので、契約中の保険会社に電話一本入れて確認しておきましょう。もちろん条件や引受可否は会社ごとに違うので、詳細は各社の約款・見積もりで確認してください。日頃の車両点検とセットで考えたい人は、キッチンカーの車両管理の記事もどうぞ。

PL保険の入り方|3つのルートがある

PL保険(生産物賠償責任保険)は、提供した食べ物で食中毒や異物混入が起きて、お客さんに損害を与えてしまった時の賠償に備える保険です。飲食を売る商売なら、これはもう商売道具の一部だと思っています。主な入り方は3つ。

  • 食品衛生協会経由:営業許可を取る時に保健所や食品衛生協会で案内されることが多いルート。飲食店向けの共済・団体制度があり、僕の周りではこのルートが多数派です
  • 商工会議所・商工会の団体制度:会員向けの団体契約で入れる場合があります
  • 保険会社・代理店で個別に:補償内容を自分で細かく設計したい人向け

そして冒頭にも書いた通り、イベント出店ではPL保険の加入が出店条件になっていることが多いです。応募時に加入証明の写しを求められたり、「対人◯円以上の補償」と水準を指定されたりするケースもあります。出店条件まわりの話はイベント出店の記事で詳しく書いています。営業許可をこれから取る人は、営業許可の記事とあわせて、許可申請のタイミングでPL保険も一緒に検討すると二度手間になりません。

保険料の目安と考え方

気になる保険料ですが、これは補償の上限額・売上規模・団体制度かどうかで大きく変わるので、あくまで目安として聞いてください。PL保険は団体制度なら年間数千円〜数万円程度に収まるケースが多いと言われています。自動車保険は車両の登録形態や等級、車両保険の有無で幅が大きく、一概には言えません。正確な金額は必ず見積もりで確認してください。

選ぶ時の考え方はシンプルで、「安さ」よりも「出たい現場の出店条件を満たせるか」を先に見ることです。せっかく入ったのに補償上限が足りなくてイベントに応募できない、では本末転倒。出たいイベントの募集要項を先に確認して、そこから逆算するのが僕のおすすめです。

💡 保険の前に「リスクの全体像」を知っておく

保険は数あるリスク対策のひとつです。飲食店のリスク管理の本を1冊読んでおくと、衛生・クレーム・事故対応まで含めて何に備えるべきかの土台ができて、保険選びの判断もぐっと楽になります。

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もしもの時の初動|食中毒疑い・事故が起きたら

保険は「入って終わり」ではなく、事故が起きた時に正しく動けて初めて機能します。初動の基本だけ頭に入れておいてください。

食中毒の疑いが出たら:お客さんから体調不良の連絡が来たら、まず誠実に聞き取り、症状と食べたものを記録。営業を自主的に止める判断も含めて、すぐ保健所に相談してください。隠すのが最悪手です。あわせて保険会社(PL保険の窓口)にも早めに一報を。連絡が遅れると手続きがこじれる場合があります。僕のブログの失敗談まとめの記事でも「失敗8」として食中毒で営業停止になった例を紹介しましたが、あれは衛生管理と保険の両輪で備えるしかありません。

交通事故が起きたら:負傷者の救護と警察への連絡が最優先。現場の写真を撮り、相手と勝手に示談せず、保険会社に連絡して指示を仰いでください。

💡 保険を使わないのがいちばん。日々の除菌から

PL保険はあくまで最後の砦で、いちばんの対策は食中毒を起こさないことです。食品まわりに使えるアルコール除菌スプレーでの器具除菌と手指衛生を毎営業のルーティンにして、予備も常備しておきましょう。

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FPに相談するという手|「自分が倒れた時」の設計

最後に、意外と抜けがちな「自分自身」の話。個人事業主は会社員と違って、病気やケガで働けなくても誰も給料を払ってくれません。国民健康保険には会社員の健康保険のような傷病手当金が原則ないので、働けない期間の収入減は自分で備えるしかないんです。所得補償保険・休業補償はそのための選択肢ですが、必要な補償額は家族構成・貯蓄・固定費で人によって全然違います。

ここは保険単体で考えるより、生活防衛資金(何ヶ月分の生活費を現金で持つか)とセットで設計するのが合理的です。自分で組み立てるのが難しければ、無料のFP(ファイナンシャルプランナー)相談で家計全体を見てもらいながら「保険で備える部分」と「貯蓄で備える部分」を切り分けてもらうのも一つの手。僕も開業してから家計の設計を見直して、ずいぶん気が楽になりました。

よくある質問(FAQ)

Q1. PL保険は法律上の義務ですか?

法律上の加入義務はありません。ただしイベントや商業施設への出店では加入が条件になっていることが多く、実務上は「ほぼ必須」と考えておくのが安全です。求められる補償水準は主催者ごとに違うので、募集要項で確認してください。

Q2. 自家用の自動車保険のまま営業してもいいですか?

おすすめしません。使用目的や車両の登録内容が実態と違うと、事故の時に保険金が支払われないおそれがあります。営業を始める前に、契約中の保険会社へ「営業に使うこと」「構造変更の内容」を伝えて確認しましょう。

Q3. 保険料は全部でいくらくらい見ておけばいいですか?

条件次第なので断定はできませんが、PL保険は団体制度なら年間数千円〜数万円程度が目安と言われます。自動車保険は車両や等級で大きく変わるため、必ず複数の見積もりで比較してください。

Q4. 保険はいつまでに入ればいいですか?

自動車保険は納車・公道を走る日まで、PL保険は初めてお客さんに商品を提供する日までに有効になっているのが理想です。イベント出店を狙うなら、応募時に加入証明を求められる場合があるので早めに動きましょう。

まとめ

キッチンカーの保険は、この4つを押さえれば大枠はOKです。

  • 自動車保険(事業用):構造変更と業務使用を正しく告知。必須
  • PL保険:食中毒・異物混入への備え。イベント出店の条件になりやすく、ほぼ必須
  • 施設賠償責任保険:営業中の設備トラブルに。余裕があれば
  • 所得補償・休業補償:自分が倒れた時の備え。生活防衛資金とセットで設計

繰り返しになりますが、補償内容と保険料は商品ごとに違います。最終判断は必ず各社の約款と見積もりを確認してから。保険は売上を生みませんが、12年商売を続けてこられたのは「もしも」に潰されなかったからだと思っています。開業準備の仕上げに、ぜひ一度整えてみてください。

おわり。

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