「主催者さんに挨拶したけど、渡すものがなくて口頭で屋号を言っただけ…」
「おいしかったって言われたのに、次どこで会えるか伝えられなかった」
キッチンカーを始めたばかりの頃、僕もまったく同じでした。
まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡
たこ焼き屋を12年、キッチンカーを始めて8年、東海3県で延べ1200日ほど出店してきました。
先に結論です。キッチンカーの紙の販促物は「主催者向け名刺」「お客さん向けショップカード」「出店先募集・ケータリング案内のチラシ」の3点があれば足ります。渡す相手が違うので、1枚で全部をまかなおうとすると情報が渋滞して、どの相手にも刺さらなくなります。
この記事では、3点それぞれに「誰に渡すか・何を載せるか・何枚刷るか・いくらかかるか」を整理し、デザインの作り方と、ネット印刷の頼み方まで一気に解説します。
結論:キッチンカーの販促物は3種類。役割と目安を1枚の表に
まずは全体像から。この表を見れば、何から作ればいいかが決まります。
| 種類 | 渡す相手 | 載せる情報 | 枚数の目安 | 単価の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ① 主催者向け名刺 | イベント主催者・会場担当者・他の出店者 | 屋号・ジャンル・出店エリア・連絡先・SNS・QR/裏面に車とメニューの写真 | 100〜200枚 | 1枚5〜20円前後 |
| ② お客さん向けショップカード | 買ってくれたお客さん | 次の出店予定・SNS・QR・ひとことメッセージ | 500〜1,000枚 | 1枚2〜6円前後 |
| ③ 出店先募集・ケータリング案内チラシ | 企業の総務・自治会・施設・学校 | できること・料金パターン・実績写真・問い合わせ先 | 100〜500枚 | 1枚10〜30円前後 |
単価はネット印刷で標準納期を選んだ場合の一般的な目安で、用紙や加工、納期で前後します。3点すべて作っても、初回は合計1万円前後に収まるケースが多い。開業費用の中では一番安いのに、効き目は長く続く投資です。
① 主催者向け名刺:出店の「入口」を開ける1枚
イベント出店の世界は、意外なほど「人づて」で回っています。主催者さんが別の主催者さんにキッチンカーを紹介する、会場で挨拶した担当者が翌年の別イベントで声をかけてくれる。そのとき手元に残っているのが名刺です。
表面に載せる6項目
- ✅ 屋号(読み仮名も。「飛笑朗」のように初見で読めない屋号は特に)
- ✅ ジャンル(「たこ焼き・唐揚げ」のように一目で分かる商品名)
- ✅ 出店エリア(「岐阜県拠点/東海3県で出店」のように県単位で)
- ✅ 連絡先(携帯番号+メール。主催者は電話をかけたい人が多い)
- ✅ SNSアカウント(Instagramのアカウント名)
- ✅ QRコード(InstagramかホームページへのリンクのQR)
住所は番地まで不要。代わりに、主催者が一番知りたい「どの範囲まで来てくれるのか」を必ず入れてください。
裏面は「車とメニューの写真」で決まり
主催者は名刺の裏を見て「どんな見た目の車が来るか」を判断します。裏面にはキッチンカーの全景写真を1枚、メニューの写真を1〜2枚。文字はほぼ不要です。イベント出店の申し込み記事で書いた「申込書に添える写真」と同じものを使い回せば、撮影の手間もかかりません。
名刺は1年で100枚も使い切らないことがほとんど。まずは100枚で十分。写真やメニューが変わったら刷り直せる枚数にしておくほうが無駄がありません。
② お客さん向けショップカード:リピートの「出口」をつくる1枚
キッチンカーの弱点は、お客さんが「次にどこで会えるか分からない」こと。店舗なら場所を覚えてもらえばいいですが、僕らは毎週違う場所にいます。だからショップカードの役割は「次の出店予定にたどり着ける道」を手渡すことに絞ります。
載せる情報は4つだけ
- ✅ 屋号とロゴ(お客さん向けなので、名刺より大きく・かわいく)
- ✅ 「出店予定はInstagramで」の一言とアカウント名
- ✅ InstagramへのQRコード(カードの面積の4分の1くらい大きく)
- ✅ ひとことメッセージ(「ご来店ありがとうございます!」程度)
出店予定そのものを印刷すると、翌月には古くなって使えません。予定は印刷せず、予定が載っている場所(Instagram)へ飛ばすのが正解です。Instagramの運用についてはキッチンカーのSNS・Instagram活用の記事で詳しく書いています。
渡し方:お釣りと一緒に、商品の上に
ショップカードは「置いておく」だけだとほとんど減りません。お釣りと一緒に手渡す、または商品のパックの上に1枚のせる。これだけで持ち帰り率が段違いです。キャッシュレスのお客さんにも、レシートの代わりに「次の予定はここで見られます」と一言添えて渡しましょう。
渡した分だけ減るので500〜1,000枚単位で刷るのが基本。名刺サイズで両面カラーにしても、ネット印刷なら1,000枚で数千円程度に収まることが多く、1枚あたり数円です。
③ 出店先募集・ケータリング案内のチラシ:企業・自治会に「頼み方」を教える1枚
3点目は、イベントではなく「呼んでもらう」ための紙です。相手は企業の総務担当、自治会の役員、施設の職員さん。この人たちは「キッチンカーを呼べるらしい」とは知っていても、いくらで、何人分から、どう頼めばいいかをまったく知りません。チラシの役目は、その疑問を先回りして全部答えておくことです。
A4片面に入れる5ブロック
- 何ができるか:「社内イベント・夏祭り・学園祭・施設行事にたこ焼きを出張販売」のように用途を列挙
- 料金パターン:「売上保証型」「出張費+販売型」「食数買い取り型」など2〜3パターンを表で
- 実績写真:会場で行列ができている写真が1枚あれば十分
- 対応エリアと最低条件:「東海3県/1.5トントラックが停められる4m×8m程度のスペース/電源不要」など
- 問い合わせ先:電話・メール・QRコード(問い合わせフォームかInstagramのDM)
料金の決め方は迷うところですが、ここを空欄にすると問い合わせ自体が来ません。考え方はキッチンカーの出張料金・ケータリング価格の記事にまとめているので、チラシに載せるパターンはそこから選んでください。会社のイベントに呼ばれたときの実際の流れはオフィスイベントでたこ焼きを出した話も参考になります。
チラシは配る相手が限られるので、100〜200枚で足ります。出店先の会社の総務さんに「よかったら他の部署にも」と2〜3枚渡す、自治会の回覧板に添えてもらう、といった地道な配り方が一番効きます。
なお、出張販売は営業許可の範囲(都道府県や政令市ごと)の中でしか営業できません。チラシに書く対応エリアは、持っている許可の範囲に合わせてください。扱いは自治体や保健所で違うので、必ず窓口で確認を。
デザインの作り方:テンプレで自作か、ロゴごと外注か
3点とも、デザインの作り方は2通りです。
A. ネット印刷のテンプレートで自作する(費用0円・半日)
ネット印刷の多くは、ブラウザ上で文字と写真を差し替えるだけで名刺やチラシが作れるテンプレートを用意しています。CanvaのようなデザインツールでA4・名刺サイズのテンプレートから作り、PDFで入稿する方法も定番です。ロゴと車の写真がすでにあるなら、自作で十分見られるものができます。
B. ロゴから外注する(数千円〜数万円・1〜2週間)
逆に、ロゴがまだない・屋号の字体が決まっていない人は、先にロゴを作ってしまったほうが早い。ロゴさえあれば、名刺・ショップカード・チラシ・のぼり・車体ステッカーまで全部同じ顔になります。外注先の選び方と相場はキッチンカーのロゴデザイン外注の記事にまとめました。
自作でも守りたい3つのルール
- ✅ フォントは2種類まで(見出し用と本文用)。増やすほど素人っぽくなります
- ✅ QRコードは2cm角以上、周囲に余白を。名刺の端ギリギリに置くと裁断で欠けることがあります
- ✅ 文字は8pt以上。名刺の電話番号が読めないのは致命的です
QRコードは無料の作成サイトで作れます。印刷前に必ず自分のスマホで読み取りを。URLを1文字間違えたまま1,000枚刷った、という話は本当によく聞きます。
印刷の頼み方:ネット印刷の選び方と注文のコツ
両面カラーの名刺やチラシを数百枚単位で刷るなら、コンビニのコピー機よりネット印刷のほうが安くて仕上がりもきれいです。選ぶときのポイントは4つ。
①用紙:名刺は厚め、チラシは薄め
名刺・ショップカードは厚さ0.2mm前後(マットコート180〜220kg程度)のしっかりした紙を。ペラペラだと財布の中で折れます。チラシはA4で配り歩くので、コート90〜110kg程度の薄めで十分です。
②部数:少なすぎず、多すぎず
ネット印刷は部数が増えるほど1枚単価が下がりますが、情報が変わったら全部ゴミになります。名刺100枚・ショップカード1,000枚・チラシ100〜200枚が初回の落としどころです。
③納期:1日違いで価格が変わる
多くのネット印刷は「翌日出荷」「3営業日」「7営業日」のように納期で価格が変わり、急ぎほど高い仕組みです。イベント直前に慌てて頼むと倍近くになることもあるので、出店の2週間前には入稿しておきましょう。
④入稿形式:PDFかテンプレート直接編集
自作ならPDF入稿、ブラウザのテンプレートで作ったならそのまま注文できます。入稿後に「塗り足しが足りません」「画像の解像度が低いです」と差し戻されることがあるので、写真はスマホで撮った元データ(圧縮前)を使ってください。
💡 名刺・ショップカードは名刺印刷専門のネット印刷が安い
名刺サイズに特化した印刷サービスなら、両面カラーでも100枚が数百円台から頼めるメニューがあります。テンプレートで作ってそのまま注文できるので、デザインソフトがなくても大丈夫。まずは料金表で「両面カラー・100枚」の価格を見てみてください。
💡 チラシ・ショップカードの大量印刷は総合ネット印刷で
A4チラシ100枚から、ショップカード1,000枚まで、用紙と納期を選んで一括で頼めるのが総合ネット印刷の強み。納期を長めにするほど安くなるので、出店2週間前の注文がおすすめです。
印刷代は「広告宣伝費」として経費にできます。注文確認メールと領収書は捨てずに保管を。経費の考え方はキッチンカーの確定申告・経費の記事でまとめています。
ぴえろの販促物:実際に使っている3点
僕が今使っているものを、参考程度に。
名刺
表は屋号「極たこ焼 飛笑朗(ぴえろ)」とジャンル(たこ焼き・唐揚げ)、拠点の岐阜県と出店エリアの東海3県、携帯番号、Instagram(@piero.gifu)とそのQR。裏は1.5トントラックの全景とたこ焼きの写真です。
ショップカード
お釣りと一緒に渡すスタイルに落ち着いています。
ケータリング案内チラシ
企業や自治会向けに料金パターンを載せたものを持ち歩いています。
ひとつ実感として言えるのは、外国人のお客さんが増えてクレジットカード比率が上がったこと。ショップカードに英語で一言(Follow us on Instagram)を入れておくと、海外からの観光客にもアカウントを見つけてもらいやすくなります。
8年続けて感じるのは、名刺1枚から翌年の出店が決まることが本当にあるということです。売上を伸ばす考え方はキッチンカーの売上に関する記事一覧にもまとめているので、あわせてどうぞ。
名刺ケース・カードスタンドを購入する
印刷物ができたら、きれいに持ち歩く・きれいに見せる道具もそろえておきましょう。どれも1,000円前後で、長く使えます。
アルミ製 名刺ケース(携帯用)
キッチンカーの車内は夏45℃を超えます。革や布の名刺入れだと汗と油で名刺がヨレるので、僕は金属製のケースをおすすめします。主催者に渡す名刺が折れていたら台無しです。
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アクリル製 ショップカードスタンド
手渡しが基本とはいえ、窓口にも1つ置いておくと、待っている間に持っていってくれる人がいます。透明アクリルならカードのデザインを邪魔しません。風で飛ばないよう、重みのある台座タイプを。
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QRコード用 卓上POPスタンド
紙を持ち帰らない人のために、窓口にQRコードを大きく掲示しておくと、並んでいる間にフォローしてくれます。印刷したQRを差し込むだけのスタンドで十分。A6〜はがきサイズが見やすいです。
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よくある質問(FAQ)
Q. 名刺に住所や固定電話は必要ですか?
個人事業主なら必須ではありません。番地までの住所より、「岐阜県拠点/東海3県で出店」のようにエリアを書くほうが主催者には役立ちます。電話は携帯番号で問題ありません。
Q. ショップカードと名刺を1枚にまとめてもいいですか?
おすすめしません。主催者は「連絡先と車の見た目」、お客さんは「次にどこで会えるか」と、求める情報が違います。1枚にまとめると文字が小さくなり、どちらにも読まれなくなります。
Q. 1回の出店で何枚くらいショップカードが出ますか?
お釣りと一緒に全員に渡すなら、販売数とほぼ同じ枚数が出ます。1日100食なら100枚。月4回出店するなら月400枚ペースなので、1,000枚単位で刷っておくと数か月もちます。
Q. チラシに料金を書くのが怖いです。「お問い合わせください」ではダメですか?
料金がないチラシは、担当者が上司に相談できないので、問い合わせ自体が来にくくなります。「売上保証○万円〜」「出張費○円+販売」のように目安だけでも載せてください。細かい条件はヒアリング後に調整すれば大丈夫です。
Q. QRコードのリンク先はInstagramとホームページ、どちらがいいですか?
お客さん向けは出店予定を更新しやすいInstagram、主催者・企業向けは問い合わせフォームのあるホームページ(なければInstagram)がおすすめです。印刷前に必ず自分のスマホで読み取りテストをしてください。
まとめ:紙3枚で「入口」「出口」「依頼」の3つの道を作る
- ✅ キッチンカーの販促物は名刺・ショップカード・ケータリング案内チラシの3点で足りる
- ✅ 名刺は主催者向け。表に屋号・ジャンル・出店エリア・連絡先・SNS・QR、裏に車とメニューの写真
- ✅ ショップカードはお客さん向け。日付は印刷せずSNSへの道だけを載せ、お釣りと一緒に渡す
- ✅ チラシは企業・自治会向け。料金パターンを必ず載せる。対応エリアは営業許可の範囲内で
- ✅ デザインはテンプレ自作か、ロゴごと外注。フォント2種・QRは2cm角以上・文字8pt以上
- ✅ 印刷はネット印刷で。名刺100枚・ショップカード1,000枚・チラシ100〜200枚、出店2週間前に入稿
名刺もショップカードも、作った日には何も起きません。でも半年後に「あのとき名刺もらったので」と電話が鳴る。そのための1万円です。まずは名刺100枚から始めてみてください🤡
