キッチンカー

キッチンカーの車両選び方【軽バン・ハイエース・トレーラー徹底比較】

/ 更新 2026.10.14

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「キッチンカーって、結局どの車を買えばいいの?」
「軽バンで足りる?ハイエース?それともトラック?」

まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡
たこ焼き屋を12年、キッチンカーは2018年から並行して8年。車両は1.5トントラックで、岐阜県を拠点に東海3県で延べ1,000日以上出店してきました。

先に結論。キッチンカーの車種は「乗りたい車」ではなく、「積みたい設備の量」と「出る予定の出店先」から逆算して決めるのが正解です。ここを間違えると「シンクを載せたら冷凍庫が入らない」「イベントの区画に収まらない」という詰み方をします。

この記事では、軽バン/軽トラ架装/ハイエースなどのバン/1〜1.5トンクラスのトラック/トレーラーの5車格を、積める設備量・運転免許・維持費・出店先の制約の4軸で比較します。業態別の早見表つき。「新車か中古か」「購入・リース・レンタルどれが得か」は別記事にまとめてあるので、ここでは車種・車格の選び方に絞って書きます。

まず結論:キッチンカー5車格の比較表

費用はベース車+架装込みの目安で、中古か新車か、設備をどこまで入れるかで大きく動きます。

車格費用目安サイズの目安
(全長×全幅×全高)
積める設備運転免許維持費
軽バン50〜150万円約3.4×1.48×1.9m単品特化。シンク+小型冷蔵+ポータブル電源が現実ライン普通免許◎ 安い
軽トラ架装80〜200万円約3.4×1.48×2.5m立って作業できる。最大積載350kgの壁は軽バンと同じ普通免許◎ 安い
ハイエース・キャラバン等のバン150〜300万円約4.7〜5.4×1.7〜1.9×2.0〜2.3m2槽シンク+冷蔵+発電機まで現実的。複数メニュー可普通免許(架装後の総重量は要確認)○ 中くらい
1〜1.5トンクラスのトラック200〜400万円約4.7〜6×1.7〜2.0×2.5〜3.0m業務用機器フル装備。立って2人で作業できる免許の取得時期による(準中型が必要な場合あり)△ やや高い
トレーラー300〜500万円
(+けん引車)
荷台3〜6m+けん引車最大。据え置き厨房に近い総重量750kg超はけん引免許△ けん引車の分も

「大きい方が安心」と思いがちですが、大きい車には「入れない出店先」と「乗れない免許」という落とし穴があります。順番に見ていきます。

車格別の特徴と向いている業態

①軽バン(エブリイ・ハイゼットカーゴ・N-VANなど)

費用目安:50〜150万円

  • ✅ 初期費用が一番安く、中古なら車体50万円台から。自動車税も年5,000円前後
  • ✅ 全幅1.48m。住宅街・狭い搬入路・コインパーキングに強い
  • ❌ 車内高が低く、座り作業か中腰。最大積載350kgに水・発電機・冷蔵・食材を全部収める

向いている業態:たこ焼き・クレープ・コーヒー・かき氷など、加熱工程が1つで済む単品特化型。

②軽トラ架装(軽トラックに厨房ボックスを載せる)

費用目安:80〜200万円

  • ✅ 箱の高さを取れるので立って作業できる。販売窓も大きく開けられる
  • ❌ 箱そのものが100〜150kgあり、その分だけ積める設備が減る
  • ❌ 全高2.5m前後。屋根付きの搬入路や立体駐車場で引っかかる

向いている業態:軽バンと同じ単品特化で、「立って焼きたい」人。

③ハイエース・キャラバンなどのバン

費用目安:150〜300万円

  • ✅ 荷室が長く(ロングで約3m)、2槽シンク・冷蔵庫・発電機を並べても余裕がある
  • ✅ 多くのモデルが普通免許で乗れる。中古のタマ数が多く売却もしやすい
  • ❌ 全長4.7〜5.4mで小さな区画は選ぶ。燃費はディーゼルで1Lあたり9〜12kmが目安

向いている業態:唐揚げ・ホットドッグ・カレーなど加熱工程が2つ以上ある料理、メニューを2〜3品持ちたい人。

④1〜1.5トンクラスのトラック(架装ボックス)

費用目安:200〜400万円

  • ✅ 箱の中は幅1.7〜2.0m×長さ3m前後×高さ2m弱。業務用機器をフルに置け、2人でも動線がぶつからない
  • ❌ 全高2.5〜3.0m。高さ制限のある施設には入れず、自宅の駐車場にも収まりにくい
  • ❌ 免許の取得時期によっては普通免許で乗れない(後述)

向いている業態:複数メニュー・2人体制・フライヤーや大型鉄板を使う店。僕の車がこれです。

⑤トレーラー型

費用目安:300〜500万円(+けん引する車)

  • ✅ 車格の中で最大の調理スペース。切り離せばけん引車を普段使いできる
  • ❌ 総重量750kgを超えるとけん引免許が必要
  • ❌ 保管場所・連結の手間・バックの難しさ。搬入路が狭いイベントは断られることも

向いている業態:ピザ窯・本格ラーメン・定位置での長期出店など「移動より厨房の広さ」を優先する店。

「積める設備量」と「運転免許」——数字で見る車格の壁

軽の最大積載量350kgに、何が載るか計算してみる

僕が保健所から求められた設備は、2槽シンク・給水タンク・排水タンク・換気扇・運転席との仕切り・扉付き収納・冷蔵設備。2021年の食品衛生法改正以降、給水タンクの容量は「車内でどこまで調理するか」で段階的に決まる運用で、僕の場合三重県(桑名保健所)の営業許可では給水タンク80Lが条件でした。

この80Lを前提に、軽の最大積載量350kgを埋めていくとこうなります。

  • 給水80L+排水80L:水だけで最大約160kg(タンクとシンク本体で+20〜30kg)
  • 発電機:1.6kVAクラスで約20kg、2.8kVAクラスで50〜60kg
  • 冷凍ストッカー(100Lクラス):30〜40kg
  • LPガス容器(8kg充填):容器込みで16〜18kg
  • 鉄板・フライヤーなどの調理機器、食材、包材、のぼり、テント

水・発電機・冷凍庫・ガスだけで約280kg。残り70kgに調理機器・食材・什器を収めることになり、棚やカウンターの重さも積載に含まれます。軽トラ架装なら箱の重さでさらに100kg以上が消える。「軽で唐揚げもたこ焼きも」が物理的に厳しい理由がこれです。

車格選びは「水を何L積むか」から始めてください。軽で回すなら、40Lで許可が取れる単品メニューに絞るのが現実的。基準は自治体・保健所で扱いが違うので、必ず窓口で確認を。

設備ごとの重さは設備リスト、冷蔵・冷凍は車載冷蔵庫・冷凍庫の選び方、発電機は発電機の選び方、ガスはLPガス・カセットガスの安全な使い方に詳しく書いています。

運転免許:「いつ取ったか」と「車検証の車両総重量」で決まる

軽とバンは普通免許で問題ありません。ややこしいのは1〜1.5トンクラスのトラックから。厨房を架装したトラックは車両総重量が3.5トンを超えることが珍しくなく、普通免許で運転できる範囲は免許を取った時期で違います。

  • 2017年3月12日以降に取得:車両総重量3.5トン未満まで。架装トラックは乗れない可能性が高く、準中型免許(7.5トン未満)が必要になることが多い
  • 2007年6月2日〜2017年3月11日に取得:準中型5トン限定。総重量5トン未満まで
  • 2007年6月1日以前に取得:中型8トン限定。総重量8トン未満まで

中古トラックを買うときは車検証の「車両総重量」欄と、免許証の「条件等」欄を並べて確認を。スタッフに運転を任せるなら、その人の免許も同じです。トレーラーは、トレーラー側の総重量750kg超でけん引免許が必要。750kg以下でも、けん引車の能力と連結装置の登録が要ります。

免許制度は改正されることがあり、車両総重量は架装内容で1台ずつ違います。「1.5トントラックなら普通免許で大丈夫」と一括りにせず、購入前に販売店・架装業者と運転免許センターで必ず確認してください。僕の車はです。

維持費の傾向と、出店先の制約

維持費:税金・車検・保険・燃費は車格でこう変わる

車両代は一度きりですが、維持費は営業を続ける限り毎年かかります(いずれも目安で、8ナンバー登録や年式で変わります)。

  • 自動車税:軽貨物は年5,000円前後。ハイエース級や1〜1.5トンクラスの貨物登録は8,000〜16,000円程度で、最大積載量が増えるほど上がる
  • 車検:軽貨物は2年ごと。ハイエース級・トラックの4ナンバー(貨物)は初回2年のあと毎年。8ナンバー(特種用途)なら2年ごと
  • 自動車保険:業務使用は家庭用より割高。8ナンバーは引き受けを制限する保険会社もある
  • 燃費:軽で1Lあたり12〜16km、ハイエースのディーゼルで9〜12km、1.5トンクラスで8〜10kmが目安。月1,000km走ると燃料代が月1万円近く変わる

年間トータルでは軽バンで15〜25万円、ハイエースクラスで25〜40万円が目安。1.5トンクラスはそれより上です。車両にいくら割けるかはキッチンカー開業費用の全てで逆算してみてください。

出店先の制約:区画サイズ・搬入路・高さ制限

ここは軽を選ぶ最大のメリットであり、大きい車を選ぶ人が見落としがちなポイント。8年出店して、車のサイズで困る場面は次の4つに絞られます。

  • ✅ 区画サイズ:募集要項に「車両サイズ全長5m以内」「1区画3m×6m」のような条件がある。全長6m近い車は応募の段階ではじかれることも
  • ✅ 高さ制限:商業施設の駐車場や屋根付きの搬入路は2.1〜2.3mの制限が多く、全高2.5m以上の架装車は入れない
  • ✅ 搬入路:学校の門、河川敷の土手の坂、住宅街の細い道。全幅1.9m以上だと切り返しが増える
  • ✅ 地面の強さ:芝生や仮設の床は重量制限があり、重い車は端に回されることも

逆に、制約のない大型イベントや常設の出店場所が主戦場なら、大きい車のデメリットはかなり薄まります。出たい出店先の募集要項を3つ集めて、車両サイズの条件を読む。これを車を決める前にやってみてください。出店先の探し方は売上が上がる出店先の選び方と交渉術に書いています。

僕が1.5トントラックを選んだ理由と、軽だったら困っていたこと

僕はたこ焼きに加えて唐揚げも扱っています。たこ焼きの鉄板とフライヤー、2槽シンク、給水80Lと排水のタンク、冷凍ストッカー、LPガス、換気扇、発電機、夏場は45cmの工業扇。これを全部積んで立って作業できる空間となると、1〜1.5トンクラス以外の選択肢がありませんでした。

もしあのとき軽を選んでいたら、たこ焼きと唐揚げの二本柱は物理的に無理だったはずです。真夏の車内は鉄板の稼働で45〜52℃になります。空間に少しでも余裕があるかどうかは、体力の消耗に直結します。

一方で、大きい車で困ったことも正直にあります。高さと長さの制約で応募できないイベントがあること、駐車場所を毎回考えること、燃料代が軽の倍近いこと。それでも、売り物を2本柱にできる空間があるメリットが、僕の商売では上回っています。なお車両は営業専用で、私用車は別に持っています。トラックは日常の足にならないので、車2台分の維持費を見込んでおいてください。

業態別おすすめ車格の早見表

「何を売るか」から引けるようにしました。第一候補は出発点で、出店先や人数によって1つ上下にずれます。

業態・メニュー第一候補理由注意点
たこ焼き(単品)軽バン/軽トラ架装加熱工程が1つ。鉄板+冷蔵+シンクで収まる給水80Lを求められる地域では積載がギリギリ
クレープ・コーヒー・かき氷軽バン機器が軽く、電気で完結しやすい冷蔵・製氷の電源を夏場も確保
唐揚げ・ポテトなど揚げ物ハイエース等のバンフライヤー・油・強い換気が必要で軽では厳しいガス設備の扱いは消防・保健所で確認
カレー・丼・弁当(複数工程)バン〜1.5トンクラス仕込み・保温・盛り付けで機器が増える給水タンクが大きくなりがち
たこ焼き+唐揚げなど2本柱1〜1.5トンクラスのトラック鉄板とフライヤーを同時に置ける免許・高さ制限・車庫の3点を先に確認
ピザ窯・本格ラーメン・定位置出店1.5トンクラス〜トレーラー重い機器と広い作業空間が必要けん引免許・保管場所・イベントの受け入れ可否

迷ったときは「加熱工程が1つなら軽、2つならバン、2本柱ならトラック」。売り物がまだ決まっていない人は、車より先に商材選びを固めてください。車は商材に合わせるものです。

購入・リース・中古の話は別記事で

車格が決まったら、次は「どう手に入れるか」。僕がキッチンカーを始めたころは「中古車を買って自分で改装」がほぼ一択でしたが、今は中古キッチンカー購入(150〜250万円)、新車ベースで製作依頼(300〜450万円)、ベース車購入+自作改装(100〜200万円)、リース・レンタル(月3〜8万円)と選択肢が増えています。

中古車で1点だけ。2021年の法改正で給排水タンクの容量基準が変わったため、古い車両だと再改装が必要になることがあります。購入前に「今の基準で営業許可が取れる状態か」を販売店と保健所の両方に確認を。中古車のチェックポイントや新車との比較はキッチンカーを購入する際の注意点に、購入・リース・レンタルの損得はキッチンカー向けカーリース・レンタルの比較記事にまとめています。

開業資金を車両で使い切ると、肝心の運転資金が残りません。開業後は最低でも3ヶ月分の生活費と仕入れ資金を残したいので、「いくらまで車に使えるか」から逆算するのが僕のおすすめ。初期費用を抑えて新車に乗りたい人は、月々定額のカーリースも選択肢に入ります。

リースナブル|格安カーリース

月々の負担を抑えたい方向けの低価格カーリース。初期費用0円で新車に乗れる。キッチンカーの車両調達にも検討の価値あり。


 

よくある質問(FAQ)

Q. ナンバーは4ナンバーと8ナンバー、どちらがいいですか?

A. 移動販売車は構造要件を満たせば8ナンバー(特種用途)で登録でき、車検が2年ごとになるメリットがあります(ハイエース級やトラックの4ナンバー貨物登録だと車検は初回のあと毎年)。ただし要件の判断は難しいので、改装前に陸運局か製作業者に確認するのが確実です。購入時に販売店へ登録区分を確認しておくと安心です。

Q. 維持費は年間どれくらいかかりますか?

A. 軽バンなら自動車税・車検・保険・オイル交換などで年間15〜25万円、ハイエースクラスだと25〜40万円ほど見ておくと安心です。開業1年目は維持費の安い車から始めて、浮いたお金を食材と宣伝に回すほうが結果的に長く続けられます。車両は後から買い替えられます。

Q. 軽バンで唐揚げなどの揚げ物はできますか?

A. できなくはありませんが、おすすめしません。フライヤーと油、強い換気、ガス設備を350kgの積載と狭い空間に収めることになり、夏場は車内温度も危険な水準になります。揚げ物メインならハイエース級以上を第一候補に。ガス機器の設置条件は消防と保健所で扱いが違うので、必ず窓口で確認してください。

Q. 中古トラックを買ったあとで「普通免許で乗れなかった」を防ぐには?

A. 購入前に、車検証の「車両総重量」と免許証の「条件等」欄を並べて確認してください。2017年3月12日以降に取った普通免許は総重量3.5トン未満までなので、架装したトラックは対象外になることが多いです。乗れない場合は準中型免許を先に取る(教習所で数日〜1週間、費用は十数万円が目安)か、車格をバンに落とすかの二択です。

Q. 最初は軽で始めて、あとから大きい車に乗り換えてもいいですか?

A. はい。単品特化なら軽から始めるのが一番リスクの低い入り方です。売上が安定して「メニューを増やしたい」「2人で回したい」となってからバンやトラックへステップアップすれば十分間に合います。ただし乗り換え時は車両ごとに営業許可の取り直しが必要なので、その手間と費用は見込んでおいてください。流れは営業許可の取り方に書いています。

まとめ:車は「積む設備」と「出店先」で決まる

  • ✅ 車格は「乗りたい車」ではなく、積みたい設備の量と出店先の制約から逆算する
  • ✅ 軽の最大積載量は350kg。給水80Lが必要なら水だけで160kgが消える
  • ✅ 1〜1.5トンクラスのトラックは、免許の取得時期によっては普通免許で乗れない。車検証の車両総重量と免許の条件欄を確認
  • ✅ 維持費は軽で年15〜25万円、ハイエース級で25〜40万円が目安。高さ2.5m以上・全長5m以上の車は入れない出店先が出てくる
  • ✅ 加熱工程が1つなら軽、2つならバン、2本柱ならトラック。売り物を先に決めて車を合わせる

僕は1.5トントラックで8年やってきて、この車格に不満はありません。でもそれは「たこ焼きと唐揚げを2人で回す」という商売の形があったからで、単品のたこ焼きだけなら軽で十分だったとも思います。あなたの売り物と出店先に合う一台を、焦らず選んでください🤡

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