まいどー!現役キッチンカーオーナーのぴえろです🤡
「出店の依頼が重なって、断るしかない週末が増えてきた」
「売上は頭打ちなのに、体はもう限界。2台目を買えば楽になる?」
キッチンカーを何年か続けると、必ず一度は「2台目」が頭をよぎります。ただ、2台目は車を買えば終わりではなく、人・メニュー・仕込みの回し方がぜんぶ変わる話です。
先に結論。2台目を増やす合図は「断っている出店が続いていること」と「任せられる人が育っていること」の2つがそろった時です。どちらか片方だけなら、まだ1台で伸ばす余地があります。
僕は岐阜県を拠点に、たこ焼き屋歴12年・キッチンカー歴8年、延べ1,000日以上出店してきました。いまはたこ焼きの1.5トントラックが2台、別ブランドのからあげ車が1台の3台体制です。この記事では、2台目を増やす判断基準と、増やした後に人・メニュー・仕込みをどう分けているかを、直近の3連休の実例つきで書きます。
結論:2台目は「断っている出店」が続いてから考える
2台目を考え始める人の多くは「売上を増やしたい」が動機です。でも、車を増やしても出店先が増えなければ売上は増えません。先に確認するのは、いま断っている出店がどれだけあるかです。
同じ日に2つの主催者から声がかかり、片方を断る。それが珍しくなくなってきたら、2台目で取りに行ける売上が見えています。逆に、出店先を探すのに苦労している段階で2台目を買うと、2台とも空いている日が増えて、ローンと駐車場代だけが残ります。
2台目を増やす判断基準5つ
僕が2台目を決めた時に見ていたこと、いま振り返って「これも見ておくべきだった」ことを5つにまとめます。
①断った出店依頼の数
イベントは時期が重なります。春と秋の週末や夏祭りのシーズンは、同じ日に複数の主催者から声がかかるので、1台だと断る依頼がかなり増えます。
そしてキッチンカーは、先に入れた予定を優先するのが基本です。あとからもっと良い出店の話が来ても断ります。元の予定を断って良いイベントに行く人もいますが、それをやると主催者からの信頼がなくなります。長くキッチンカーを続けていくなら、信頼がいちばん大切。だから予定が入っている日にいい出店があっても行けない。この「行けなかった出店」が積み重なってきたら、2台目で拾える売上が見えています。
ここは感覚ではなく、断った依頼をメモに残して数えてください。「断った気がする」と「断った記録がある」はまったく違います。
②1台の売上と体力の上限
1台で焼ける数には上限があります。たこ焼きなら鉄板の数と焼き手の腕で1時間あたりの食数が決まり、どれだけ行列ができてもそれ以上は売れません。出店のたびに売り切れで早じまいしている、行列を見て帰るお客さんが毎回いる、という状態なら、1台の上限に当たっています。
同時に、自分の体力の上限も見ます。1台で週末を全部埋めて平日に仕込みをする生活を続けていると、2台目は「楽になる」どころか「倍きつくなる」だけです。
③任せられる人が育っているか
ここが一番の壁です。2台目を出す日は、自分はどちらか1台にしか乗れません。もう1台を、売上もトラブルも含めて任せられる人がいないと、2台体制は成り立ちません。
うちの場合、2台で出る日は自分を含めて5人以上で回しています。1台あたり2〜3人、それぞれの車に「この車の責任者」を1人置く形です。人の育て方や雇い方は、キッチンカーのアルバイト採用ガイドに書いています。
④資金と補助金
2台目は1台目と同じくらいお金がかかります。しかも1台目のローンが残っている人が多い。自己資金だけで無理をするより、補助金や融資を組み合わせて、手元の現金を減らさないのが現実的です。うちが2台目に踏み切ったのは、信頼できるスタッフが育って、補助金が下りたタイミングでした。どちらか片方だけなら、まだ待っていたと思います。2台目は補助金を使って新車で製作しました(くわしくは後半で)。
⑤同じメニューで増やすか、別ブランドで増やすか
意外と見落とされるのがここ。同じたこ焼き屋を2台にするのか、別の商品で2台目を作るのかで、人の育て方も仕込みも、出店先の取り方も変わります。次の章でくわしく書きます。
同じメニューで増やすか、別ブランドで増やすか
うちは両方やっています。たこ焼きの車が2台、それとは別にからあげのブランドが1台。それぞれの良さと大変さはこうです。
| 同じメニューで2台 | 別ブランドで2台目 | |
|---|---|---|
| 仕込み | 1か所でまとめて作って2台に分けられる。量が倍になるだけ | 仕込みが2種類になる。手順も道具も別 |
| 人の育成 | 覚えることが同じなので、人をどちらの車にも回せる | 車ごとに覚える内容が違う。人の入れ替えがしにくい |
| 出店先 | 同じイベントに2台は出せないことが多い(主催者は同じ商品を2つ並べたがらない) | 同じイベントに2台並べて出られることがある |
| 看板・SNS | 1つの屋号で済む | 屋号・看板・SNSを一式もう1つ作る |
僕の感覚では、最初の2台目は同じメニューで増やすほうが失敗が少ないです。仕込みが1か所で済み、人をどちらの車にも回せるからです。別ブランドは、同じメニューの2台を回せるようになってから考えても遅くありません。
ただし同じメニューだと、同じイベントに2台は出せないことが多いので、2台目の出店先は別の会場を開拓する必要があります。出店先の探し方は、キッチンカー出店場所の見つけ方20選にまとめています。
2台体制の運営:人・メニュー・仕込みの分け方
2台目を買った後に本当に効いてくるのが、この章の中身です。
人:車ごとに責任者を1人、全体の連絡係を1人
2台で出る日は、車ごとに責任者を決めます。責任者は売上の管理、釣り銭、トラブル対応、主催者とのやり取りまで担当します。自分はどちらかの車に乗りつつ、両方の車からの連絡を受ける「全体の連絡係」も兼ねます。
「誰がどちらの車か」は、前日までに決めて全員に伝えます。当日の朝に「今日どっち?」と聞かれる状態だと、積み込みから崩れます。
メニュー:2台で同じ日は、売れ筋だけに絞る
1台なら5〜6種類のメニューを出せても、2台で出る日は各車3〜4種類の売れ筋に絞ります。メニューが多いほど仕込みの種類が増え、積み忘れのリスクも増えます。2台の日に無理をして売上が落ちるより、確実に回るメニューで2台分を取るほうが結果は良いです。
仕込み:量は「車ごと」に計算し、積み込み表を紙で作る
仕込みの量は、2台まとめてではなく車ごとに計算します。出店先の規模も客層も違うので、同じ量を積むと片方が余って片方が足りなくなります。
そして、車ごとの積み込み表を紙で作ります。生地・たこ・トッピング・包材・釣り銭・ガス・発電機の燃料まで、車ごとに「何を・どれだけ」を書き出し、積み込んだらチェックを入れる。2台の日はこの紙が命綱です。
当日の回し方そのものは、出店当日のオペレーション(回転率で売上が決まる)に書いた内容と同じです。2台になっても1台あたりの動きは変わりません。
実例:3連休に2台で3会場を回した段取り
2026年10月の3連休(10日・11日・12日)は、2台体制で3つの会場に出ました。
- 1台目:オアシスパーク(岐阜)に3日間連続
- 2台目:犬山城下町(愛知)に10日と12日、間の11日は企業イベント
段取りはこう組みました。
- 連休の1週間前:車ごとの担当者と人数を確定。各車2〜3人、合計5人以上。
- 3日前:会場ごとに見込み食数を出し、車ごと・日ごとの仕込み量を決める。3日連続の会場は、初日の売れ方を見て2日目以降の量を調整する前提にしておく。
- 前日:仕込みをまとめて行い、車ごとの積み込み表で積み分ける。釣り銭・ガス・燃料も車ごとに用意。
- 当日:各車の責任者が開店・閉店と売上報告。自分は1台に乗りつつ、もう1台からの連絡に対応。
- 各日の夜:翌日分の仕込みの追加・減らしを決める。3日連続だと、ここで初日の読み違いを直せる。
ポイントは、3日連続の会場があることで「初日に様子を見て2日目で直す」ができることです。1日だけの出店はぶっつけ本番ですが、連続出店なら2日目以降の精度が上がります。2台の日こそ、こういう「直せる余地」を段取りに入れておくと楽です。
2台目の資金:補助金を使って新車で製作した話
うちの2台目は、補助金を使って新車で製作しました。中古を探す選択肢もありましたが、たこ焼きの設備は配置が決まっているので、最初から設計して作ったほうが現場で楽だと判断しました。
2台目の資金で考えておくことは3つです。
- ✅ 補助金は「後払い」。先に自分で払って、後から戻ってくる仕組みが基本なので、手元の現金は一時的に減ります。
- ✅ 1台目のローンが残っているなら、月々の返済が2台分になる。2台目の売上が立つまでの数か月を、どう持たせるかを先に計算しておく。
- ✅ 買う以外の選択肢も比べる。繁忙期だけ2台目が欲しいなら、リースやレンタルで試してから決める手もあります。
金額や制度の中身は、別の記事にくわしくまとめています。
2台体制でやりがちな失敗3つ
①売上が「倍」になると思っている
2台目を出し始めたころ、売上を「1台目と同じくらい」と見込んで人件費と燃料を組んだら、2台目の会場は1台目の半分ほどしか売れず、月で見ると2台目の分が赤字になった月がありました。出店先の質が違えば、2台目の売上が1台目の半分ということは普通にあります。経費(人件費・燃料・駐車場・保険)は確実に2台分になるので、いまは「2台目は1台目の6〜7割売れたら上出来」で見積もって、それでも残る出店だけ受けています。
②仕込み量を「1台の2倍」で読み違える
2台で出た初めてのころ、仕込みを単純に「1台の2倍」で用意したら、片方の会場は想定の半分しか売れず、たこを大量に余らせました。会場ごとに客層も人出も違うのに、同じ量を積んだのが間違いです。それ以来、仕込み量は車ごとに別で計算し、積み込み表も車ごとに分けています。前の章で「量は車ごとに」としつこく書いたのは、この失敗があるからです。
③自分が両方の車を見ようとする
2台目を出した最初のころ、もう一台の様子が気になって電話や連絡ばかりしていたら、自分の車の焼きが遅れて列が伸びました。任せると決めたら任せる。連絡は「困った時だけ」と決めてから、2台ともちゃんと回るようになりました。
2台目で揃えてよかった道具
2台になってから「これは早く買えばよかった」と思った道具を3つ。どれも車ごとに分ける・積み分けるための道具です。
折りたたみコンテナ(車ごとに色分け)
車ごとに色を分けたコンテナに積み込む物をまとめると、「どっちの車の荷物か」が一目で分かります。積み忘れが減り、閉店後の片付けも早くなります。
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大型クーラーボックス(車ごとに1つ)
仕込んだ生地やたこを車ごとに分けて運ぶのに、車の数だけ大型のクーラーボックスが要ります。1つを2台で分けようとすると、必ず片方が足りなくなります。
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マグネット式ホワイトボード(積み込み表・担当表用)
車ごとの担当と積み込みのチェック表を、仕込み場の冷蔵庫に貼っておく用です。紙でも構いませんが、毎週書き直すならホワイトボードのほうが続きます。
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まとめ:2台目は「拾える売上」と「任せられる人」がそろってから
- ✅ 2台目の合図は、断っている出店が続いていること。断った依頼は数えて記録する
- ✅ 判断基準は5つ。断った依頼の数/1台の売上と体力の上限/任せられる人/資金と補助金/同じメニューか別ブランドか
- ✅ 最初の2台目は同じメニューのほうが失敗が少ない。仕込みが1か所で済み、人を回せる
- ✅ 2台の日は、車ごとに責任者・メニューは売れ筋に絞る・仕込み量と積み込み表は車ごとに
- ✅ 売上は倍にならない。2台目は1台目の6〜7割で計算し、2台目に乗る人を先に確保してから出店を受ける
2台目は、車を買った日ではなく「自分が乗っていない車で売上が立った日」に本当のスタートです。その日に向けて、人と段取りを先に作っておいてください。それができていれば、2台目はちゃんと、たこ焼きを焼く時間を増やしてくれます🤡
